『グッド・ストライブス』岨手由貴子監督・脚本 119分 2015年5月30日(土)より新宿武蔵野館ほか全国公開。伏見ミリオン6月13日公開
自由奔放な女性・緑(菊池亜希子)と、優柔不断なおぼっちゃまの真生(中島歩)は交際4年のマンネリカップル。お互い別れることを考えていたが、緑の妊娠が発覚する。もう五ヶ月目になっていた。
流れで結婚へと話が進み、一緒に住み始めるが、生まれも育ちも違う二人は揉め事が絶えない。それでも何とかお互いの両親に挨拶に行ったりと結婚の準備を進めていくうちに、それまで知ることのなかった相手の意外な過去が出てくる。
気に入った!私好みの要素はほとんどないが、ストーリーの流れが自然で台詞を言う声も相手に聞こえる以上の大声を出さない。それに緑が真生は嫌いではないが「やつの友達が嫌い」には納得。これは結婚相手を選ぶのに大きな決め手になる。
緑は地方出身ということや、相手がインテリ家族であること(母親が産科医、父親は離婚したが写真家)などが引け目になっている。もう結婚するしか選択の余地はないけど、なぜか腹がたつ気持ちがよくわかった。
この作品のチラシが「結婚式の二人」だが、映画をみる前は「なんだかチグハグしている」と思ったが、映画で観た時、臨月のお腹をしていてもうまく工夫されたデザインで「初々しさ」さえ感じた。
音楽がとってもよかった。二人が喧嘩したり陰気になっていたりしても、音楽は「いつものこと、この二人は大丈夫」と言っているような音楽だった。
緑と姉(山本裕子 意地悪がきいていた!不思議な役者さんだった)や、真生と父親(うじきつよし)の関係がぎくしゃくしているが、それはそれで自然なことだと思った。
この監督さんの一番の良さは「背伸びしていない」ところだ。