『ターナー、光に愛を求めて』マイク・リー監督/イギリス フランス ドイツ/149分/原題:MR.TURNER/6月20日(土)よりBunkamuraル・シネマ他にて全国順次ロードショー公開/http://www.cetera.co.jp/turner/
19世紀のイギリス。オランダ旅行から帰って来たターナー(ティモシー・スポール)は、父(ポール・ジェッソン)に温かく迎えられる。父は住居に展示室を設けて買い手をもてなしたり、絵の道具を揃えたりしてターナーを支えていた。
そんな父と身の回りの世話をする家政婦のハンナ(ドロシー・アトキンソン)の3人で暮らすターナーだったが、昔、愛人に生ませた娘が二人いて、自分から会おうともせず、生活費も十分に渡していない。
大切なパトロンであるエグルモント卿の屋敷で贅沢な日々を過ごしたターナーは、新しい閃きを求めて旅に出る。着いたのは港町マーゲイト。ふらりと入った宿から見える海に創作意欲をかきたてられたターナー。女将のブース夫人(マリオン・ベイリー)にも好意を寄せる。
マイク・リー監督にしては長い作品。主役のティモシー・スポールさんは『秘密と嘘』の写真屋さん、『人生は、時々晴れ』では貧乏なお父さんを演じていた。その頃から大好きな俳優さんだ。
今も大好きだけど、このターナー役は・・・男の身勝手さや家政婦のハンナに対する態度が気に喰わない。実際、ターナー画伯がおくった人生だから「気に喰わない」と言っても仕方ないことは重々承知だが、書かずにはいられなかった。
ターナーの絵を見たこともないミッキーでも、これから見るチャンスがあったら、この映画が浮かぶだろうなぁと思った。
当時の高名な画伯たちの裏表ある会話や痛烈な皮肉が面白く、意外に質素な生活ぶりが現実的に描かれていた。