『百日紅 〜Miss HOKUSAI〜』原恵一監督/90分/5月9日よりTOHOシネマズ日本橋、テアトル新宿他にて全国ロードショー公/http://sarusuberi-movie.com.
文化11年(1814)。ここは活気に満ちた江戸の両国橋。夏の日差しの中を女が歩いてくる。真っ直ぐ前を向き勝気そうな女性は名をお栄(声:杏)といい、歳は23の浮世絵師だ。
父であり師匠の葛飾北斎(声:松重豊)、勝手に居ついてしまった弟子・池田善次郎(声:濱田岳)と注文の浮世絵を描いて暮らす日々だ。
原作者の江戸研究家でもあり、漫画家の杉浦日向子さんは、以前NHKの番組で時々見ていた。着物姿でおっとりとお話なさっていた。お亡くなりになって早や十年・・・その節目にこの作品が公開される。
江戸時代の当時の庶民の暮らし、色町の様子などをバックに浮世絵師・葛飾北斎とその娘・お栄の「絵師」としての「意気地」を描いている。
なんと言っても監督さんが『カラフル』の方なので安心して観られた。吹いている風、水の流れ、雪が落ちる様に見入り、軽妙な台詞まわしに江戸を感じさせてくれた。
☆杉浦日向子による同名漫画の実写映画版『合葬』が2015年秋に全国公開される。監督は小林達夫、脚本は渡辺あや。今から楽しみだ。
☆気になったことが2つあった。
かわいい犬が出てくるが、その犬の絵柄に「今」を感じてしまった。そして最後の喉を詰めた歌声でがっくり。