舞台はロシアの小さな港町。クジラもやってくる美しい入り江で自動車修理工場を営んでいるコーリァ。若い妻と先妻との子の3人でつつましく暮らしていた。
この土地を町の開発に必要と目をつけた市長は売るように頼むが、コーリァは生まれ育ったこの地を手放せないと断る。
市長は町の有力者たちとグルになってコーリァを追い出そうとしたが、コーリァはモスクワに住む友人の弁護士を呼び寄せてたたかう姿勢を示した。
『父、帰る』『エレナの惑い』『ヴェラの祈り』の監督さん。映画館にはってあるポスターがとても神秘的で、よく見るとクジラの骨が海辺にオブジェのようにおかれていた。
こんな小さな海辺の田舎町にも政治がらみの権力がはびこっていて、やることは非常に冷酷で、あらゆる上層部が協力し合っている。
コーリァが始めに言うことを聞いていれば……と、思うが、この問題が起きなくても、若い妻への執着や、反抗期の息子によって、さざ波は起こってくるはずと感じた。
荒々しく男性的な海のシーンに対して醜い人間の欲に絡んだ行いをまざまざと見せつけられた。
☆この作品はゴールデングローブ賞最優秀外国語映画賞、アカデミー賞外国語映画賞ノミネートされた。