1984年、サッチャー政権下で不況に揺れるイギリス。炭坑労働者たちのストライキも長期化する中、ロンドンに住んでいるマーク(ベン・シュネッツァー)は、その様子をテレビニュースで見て、ゲイの仲間たちに支援しようと呼びかけた。
マークは「彼らの敵はサッチャーと警官。つまり僕たちと一緒だ」と友人のマイク(ジョセフ・ギルガン)を強引に誘う。そして早速、ゲイパレードで行進しながら募金を呼びかけた。
パレードの後、マークは「LGSM/炭坑夫支援レズ&ゲイの会」を立ち上げる。メンバーは9人で始めた。だが、集まったお金を全国の炭坑組合に送ろうと電話をするが、会の頭文字の意味を言うと、どの組合にも電話を切られてしまう。
それなら炭坑の町に直接かけようとウェールズの炭坑町・ディライスの役場に電話をかけると、年配の女性が出てすんなり受け入れてくれたが・・・。
80年代のイギリスのお話。今から35年前だ。それにしても炭坑労働者とLGたちという普通まじわることのないグループ。まじわることによって起きるイザコザ、意見の違い、エイズに対しての無知などが、2つのグループの勇気ある人たちによって歩み寄っていく。
勇気が無ければ何も前進しない、話合わなければ何も知ることはできない、ユーモアが無ければ言葉だって刃になる・・・そんな普遍的だけど最も難しいことに向っていく人々の熱い行動に、何回も何回も頷きながら観てしまった。
LGグループのアンドリュー・スコット、ジョージ・マッケイ(ミッキーおばぁの好みじゃ)、ベン・シュネッツァー。ディライスの役場のビル・ナイ、イメルダ・スタウントン。若者とご年配の俳優さんたちの演技にも注目してほしい。
※監督さんが実際にディライスの町を参考のために見に行ったとき「あのゲイの人たちのこと覚えている」という人に出会い、この町で撮影したいと申し出た経緯があった。今年1月に公開されたケン・ローチ監督作品『ジミー、野を駆ける伝説』も撮影地を実在の村で撮影している。