1962年。ギリシャのアテネでツアーガイドをしているアメリカ人青年ライダル・キーナー(オスカー・アイザック)は、パルテノン神殿を訪れていたアメリカ人夫婦のチェスター・マクファーランド(ヴィゴ・モーテンセン)と若く美しい妻コレット(キルステン・ダンスト/背中が世界一美しい)と遭遇する。
コレットの頼みで、明日一日ガイドを引き受けたライダルは夫妻と夕食をして楽しいひと時を過ごした。
だが、その夜、夫妻が宿泊する部屋に怪しげな男が訪ねて来た。
実はチェスターは、ニューヨークで多人数に投資詐欺を働き、大金を持って逃亡中だったのだ。来たのは損をした取引き相手が雇った探偵で「雇い主だけの金でいいから返せ!」というものだった。
揉み合いが始まり、探偵を殺害してしまったチェスターは、妻コレットの忘れ物を届けに来たライダルに見られてしまう。
どちらかと言うと古いタイプのサスペンス・スリラー。
おしゃれでいつもニコニコしている若く美しい妻コレットだって、夫が大きな詐欺をしている人間とわかっていて、一緒に同行しているのだ。少しも不安な表情がない。
大したキモの座りようだ。そのキモが座っていないといけないのに、そこのところが出ていない。キャラクターとしてキルステン・ダンストならもっとミステリアスにしてほしいところ。
アテネ、クレタ島の紺碧の海と白い遺跡を堪能させ、逃亡先のトルコ、イスタンブールの街かどなどたっぷり見せてくれるが、サスペンス度は非情に低い
※チョイ悪ガイドのお兄さんを演じたオスカー・アイザックは『インサイド・ルーウィン・ディヴィス 名もなき男の歌』に出ていた方。初夏公開の話題作『ア・モースト・バイオレント・イヤー/原題: A Most Violent Year』にも出演。