週刊誌の記者・蒔野抗太郎(椎名桔平)は特異な殺人事件の記事がうまく「エグノ」と呼ばれていた。そんな彼が、見知らぬ死者を「悼む」ために放浪している坂築静人(高良健吾)に出会う。
蒔野は静人の不可解な行動が理解できず、彼の身辺を調べるのだった…。
原作を読んだのは随分前なので、忘れている部分が多かったが、こんなに暗い小説だっただろうか。気持ちが陰鬱になり落ち込みながら観てしまった。1シーンも心からの笑い顔や声などなかった。
静人の悼む作法は自分で考えたものだろうがちょっとひいてしまった。実際に見たらもっと奇異に思う動作だ。
彼がこのように旅をして「悼んで」いる間に、実家の母・坂築巡子(大竹しのぶ)は末期の癌を患いながらも、自宅で息子の帰りを待っている。そのことは彼のことが話題になっている「ネット」から知るくだりは、古風な言葉「悼む」とのアンバランスが印象的だった。
暗く気分が落ち込む映画だが、大竹しのぶ他全員の演技がとても良かった⤴