凄腕の広告マンのサム(ビリー・クラダップ)は大きな仕事の契約が取れたので、その喜びを大学生の息子ジョシュに電話して「今日は学校なんかサボってうまいものでも食いに行こう!」と誘う。
息子は生返事をしていたが結局は待ち合わせの場所には来なかった。だがテレビの緊急映像で息子の大学内で乱射事件が速報で流れる…。
2年後。その乱射事件で息子を亡くしたサムは、会社をやめ、ボートで暮らしていた。そんな彼に別れた妻が息子の作った詩や作曲した曲が入ったCDを持って来た。
それを聴いたサムは息子のギターで静かに歌い始め、近所のライブ・バーで飛び入り参加する・・・。
ウィリアム・H・メイシーさん は、映画好きな方なら「あの皺くちゃで目がギョロリとした俳優さん(失礼!)」と、すぐ思い浮かぶはず。『ファーゴ』『マグノリア』に出演している。その方が初監督されたのがこの作品。 「?」付きの部分が上手い!
内容は厳しく、観ている観客も道連れに「迷路」に入り込まされて、「視点」をも変えてしまうが、そこのところは秘密。
音楽映画としても上出来の作品。父親のギター、彼の歌が気に入って追いかけてくる青年クエンティン(アントン・イェルチン)の声も柔らかく歌も上手い!
この青年、5、6年前に『チャーリー・バートレットの男子トイレ相談室』の高校生だった!ナイーブさは相変わらずで、いい若手俳優さんに成長していた。