値段は800円で入れ替えなし!ときいてびっくり!そんなことどこにも書いていないのに

コーヒー

さて映画は


クミ(太田久美子)は住宅街の外国人ハウスに住んでいて、ドラッグを売買しながら、ぶらぶらと生活していた。ある日、酔っ払って帰る途中で、クミは緑に囲まれた無人の廃墟を見つけ中へ入ってみる。そこが自分の家のような愛着を感じた彼女は、そこに住みつくようになる。
不思議な映画だ。ごちゃごちゃ、がちゃがちゃ、わけがわからない展開が続くが、それが心地良く「癖」になってくる。
クミは人生を投げているようだが、やることは、セックスにしろ、キャベツ栽培にしろ、自分の墓穴とおぼしき大きな穴掘りも一心不乱にやる。
彼女が狂っているのか、彼女以外のすべてが狂っているのかわからない中で、廃墟の館は完全に緑に覆われていく・・・。観た後、わからないながらも「すべてがストンと腑に落ちて」心地良かった


大阪の小さな旅行代理店が広東語のできるツアーコンダクターを募集していた。カタコトの広東語しか話せないクミ(新井令子)が受かってしまい、すぐ仕事をまかされてしまった。
一方、ここは香港。水上の貧しい家に九扇(ツェ・ワイ・キット)一家が住んでいて、香港の街で露天商をしている。もちろん、売っているのは「香港名物 偽ブランドもの」、小さい弟はパソコンをおもちゃにしてハッカーもしている。
その一家にどうしたわけか海外旅行が全員に当たる。両親はヨーロッパ、九扇は日本へ。そして大阪のクミが受け持った最初のお客が九扇だった。
これも不思議なアジアン・ドタバタで関西弁と広東語の飛び交う面白い設定だった。大阪といっても予算の関係で宿泊は釜ヶ崎のカプセルホテル。食べ物も大阪・新世界の立ち食いうどんや串カツ。
そんな時に九扇のパスポートが入ったカバンが盗まれる。やっと見つけた犯人は釜ヶ崎に住むおかしなオバちゃん。パスポートだけは返したが、自分が盗ったくせに「終わったことをくよくよしない、あんた日本にいる間に稼げばいい!」と変な励まし方をしていた。
映画では釜ヶ崎や飛田のドヤ街の様子が実写で出てきた。それはまるでドキュメンタリーのようで、住民?たちに歌を歌わせたり、しゃべらせたりしていた。
山本監督は日本人とアジアの国の人をまじえて映画作りをなさっている。この刈谷の映画館では、来週は4本立て『集まった人たち』『タコスな夜』『闇のカーニバル』『止まない晴れ』が上映される。山本監督のアジアン風味が楽しめそうだ。もちろん、入れ替えなしの800円!