17歳の少女ヘイゼル(シャイリーン・ウッドリー)は末期のガンを患っていたが、今は薬が効いていてなんとか家にいるが、肺は「ポンコツ」状態だ。
鼻から管を通して酸素ボンベを持ち歩いているので学校にも行かず、家で読書をしている毎日だった。お気に入りの作家はオランダ人の小説家ピ−ター・ヴァン・ホーテンで「おおいなる痛み」という本を読んでいた。
彼女の父母はいつもヘイゼルを見守っていてくれる。両親のすすめでいやいやながら患者の会に参加する。そこで骨肉腫で片足を失っても明るい青年オーガスタス(アンセル・エルゴート)と出会う。
彼は18歳で高校時代はバスケットの名選手だった。そんな2人は恋に落ちてしまう。
大病の渦中にいる人はどんな気持ちで毎日暮しているのか・・・と、もっともっと悲しい話と覚悟して観た。愛し合っている2人にあまり悲壮感はなく、美しいアムステルダムの町並みを、ゆっくり歩く速度も2人一緒だ。
以前、観た映画で「どうしてあの子と友だちになったの?」と聞かれた少女は「歩く速さが一緒なの」と答えていた。お話しながら歩く幸せな光景がアムステルダムの景色とマッチしてとても旅情を感じた。
悲しい話ではあるが、気難しいオランダのピ−ター・ヴァン・ホーテン(ウィリアム・デフォー)に会ったり、「アンネフランク」の屋根裏部屋に力を振り絞って上ったりする展開も現実的で、2人の行動を映画を通して「見守ってあげたい」気持ちになった。
制約のある中で、衣装はおしゃれで着やすく、ヘアスタイルは手入れをしやすいよう工夫をされていた