大阪のある広場で開催されていたバンドのライブに、汚い格好をして傷だらけの若い男(渋谷すばる)が突然乱入して来てマイクを奪い歌いだした。その声は不思議な説得力があり、観衆は息をのんだが、歌い終わったと思ったら、その場にバタリと倒れてしまった。
バンド連中やマネージャーのカスミ(二階堂ふみ)は仕方なく自分たちの店に運ぶが、何を聞いても答えられない彼は「記憶喪失」になっていた。歌声に興味を持ったカスミは、男を「ポチ男」と呼ぶことにして、自宅のスタジオで働かせることにした。
幸運にも東京試写と名古屋で2回観た1度目はなんて歌のうまい若者だろうか?と驚いて、娘に「せきじゃにの渋谷という歌のうまい子知ってる?」と聞くと「え、お母さん、関ジャニ∞の渋谷くん知らないの?」と呆れられ「せきじゃにじゃない、カンジャニ!」と言われた。
記憶喪失になり身も心もボロボロになっても歌うことだけは忘れていない若い男は、修羅場をくぐり抜けて来たような野性的な顔立ちで登場。てっきり新人俳優だと思った。
そうか、人気グループの歌手なのかと、この作品で初めて知った。年末の紅白歌合戦はここ30年くらい観たことはないが、娘が関ジャニ∞が出る時に起こしてあげると言うのでお願いした。テレビで歌っている渋谷くんはまさしく映画に出て来た「記憶喪失のあのポチ男」だった。
歌もいい、ストーリーもいい、もちろん二階堂ふみチャンの弾けた元気ぶりもいい、是非「元気」のおすそ分けをいただいてほしい。