自由きままなエルサ(シャーリー・マクレーン)は70代も後半にさしかかる老婦人。でもまだまだ夢があった。それは、ローマにある「トレヴィの泉」に行って、映画の『甘い生活』で描いている場所に立ってみたいというものだ。
そんな彼女のアパートのお隣に80歳のフレッド(クリストファー・プラマー)が引っ越してくる。彼は長年連れ添った妻に先立たれて、寂しさの中にあった。
引っ越してきてからすぐにエルサの乱暴運転で、フレッドの娘の車を傷つけてしまう。白を切ろうとしたが見つかってしまい、しぶしぶ修理代金の小切手を持って、フレッドの家を訪ねる。
小さな嘘なら朝飯前のエルサ は、この自動車傷付け事件がきっかけで、だんだん親しくなる。嘘70パーセントの作り話の好きなエルサは、自分の年金の一部を息子家族に送っているとか、若い頃にピカソに絵を描いてもらったことなどと次々と楽しそうに話す。
一方のフレッドといえば、全てに対して悲観的。明るいエルサの話で少しずつ外にも出かけるようになる。
いい感じだミッキーおばぁにもこんな老紳士の恋人ができないかなぁ・・・。
私なら「ねぇ、私、夢があるの。外国の映画祭にいきた〜〜いんだけど、うん、たとえばぁ〜シッチェス映画祭とかぁ、ベルリン映画祭とかぁ、英語の堪能なあなたといきた〜いんだけど・・・」とおねだりしたい。(勝手にやっとれ)
ま、冗談はさておき、この年齢でいい相手に出合って、夢もかなえてもらえる映画なんてなかなかない。一人で自由もいいが、気が合う二人で笑顔がある生活もいいなとつくづく思った作品。
この2大俳優さんをご存知の方は、黙っていても映画館に足を運んでくださると確信しているが、若い方にも、是非、観ていただきたい「おしゃれで、愉快で、恋する情熱」がいっぱい詰まっている。監督さんは世界の名作『イル・ポスティーノ』の方。