ここはニュージーランドの首都ウェリントン。379歳のヴィアゴ(タイカ・ワイティティ)、183歳のディーコン(ジョナサン・ブロー)、862歳のヴラド(ジェマイン・クレメント)、そして8000歳のピーター(ベン・フランシャム)は、現代社会で共同生活を送るヴァンパイアたちだ。
毎夜、楽器を演奏したり、ダンスをしたりして楽しんでいた。たまには夜、外出して馴染みのパブで遊ぶという奇妙で陽気なヴァンパイア・シェア仲間。
そんなある日。ピーターが大学生のニック(コリ=ゴンザレス・マクエル)に甘噛みするはずが噛み付いてしまい…。
これは、去年シドニーの映画館でみたが、周りの笑いについていけず、彼らの表情だけでガハハとやけくそ笑い。今回、日本公開が決まり腹の底から「笑える」と、楽しみにしていた。
試写ではガハハではなく、クスクスとかハッとひと笑いが多く、それが何回もあった。外国人と笑いのツボが違うというより「笑う」に遠慮がないのだと感じた。まあ、場所が試写室という状況もある。
毎日の彼らの生活をドキュメンタリー風に作ってあり、説明しながらみせてくれる。
昼間出られない彼らは太陽と戯れる映画やイマドキのネットを使っていろんな試みをして、限りなく変わり映えしない毎日を工夫している様子を「死なない哀しみ」と共にユーモアで包んで描いている。
特に若い男性ニックがヴァンパイアになってしまってからの騒動の顛末は悲哀と面白さが入り混じっている。いままでにないヴァンパイア映画を楽しんでいただきたい。
※かのシッチェス映画祭で観客賞に輝いた作品。