ある舞台の女優のオーディションをしていた演出家のトマ(マチュー・アマルリック)は、希望通りの女優がいなかったので気落ちして帰ろうとした時に、自称、女優のワンダ(エマニュエル・セニエ)が遅れてやって来た。
口の達者なワンダはあーだこーだと言って、あまりにうるさいのでオーディションを受けさせることにした。トマの理想とする女優とは、かけ離れた図々しさと下品さにうんざりしながら、演技が始まるまで待っていた。
31日。映画ぐるいのミッキーおばぁには年末年始などない。と、言っても東京・中野の娘が帰っているので餅、餅菜、鍋物の材料などを買出しに行ったついでに、栄のセンチュリーシネマの『毛皮のヴィーナス』を観た。暮れの忙しい日だが、会場は6割がた入っていた。
これが今年最後の映画だから、標準より
興味深い作品だった。
たった2人の舞台劇。最初トマは知性が全くなさそうな彼女を馬鹿にしていたが、演技が始まるや否や、もう完全に「イカレテ」しまっていた。彼女は作品を完璧にそして深く理解していて、こえの出し方、表情、身のこなしなど奥ゆかしく上品に変身している。
観ているミッキーおばぁも「フゥ・・・」とため息が出た。一対一のオーディションが進むと2人の力関係は逆転。舞台の演技と本心が混じる展開は
オーディションされているのはトマの方か?と思うユーモアもあり、トマもワンダに支配されていく様は、まるで少年のように、目が潤んでおどおどとする・・・。
エマニュエル・セニエさんはロマン・ポランスキー監督さんの奥様。もうこれだけで妄想をたくましくしてしまうミッキーおばぁだが、2014年度666本目は、知性、ユーモア、エロス、スリル満載でいいチョイスだった!


同じ映画で締めくくりができて、嬉しいです。
今年最初はスコーレの市川雷蔵作品で始まりました。
本年もどうかよろしくお願いしますね。