2014年12月05日

『SHOAH ショア』の1日(限定公開は来年2月予定)

カチンコ『SHOAH ショア』クロード・ランズマン監督/フランス/567分/1985年

フランス人ジャーナリストだったクロード・ランズマン監督が、第二次世界大戦中のナチスの強制収容、大量虐殺の関係者の証言で作った「映像記録」。このドキュメンタリーは1995年に日本で公開された。いまから約20年前だ。もちろんミッキーおばぁの「映画どっぷり三昧人生」は始まっていない。

仕事をやめたから東京にもあまり行けないバッド(下向き矢印)と宣言した私だが、試写状を見るなりむずむずとして来て、新幹線新幹線日帰りでこの長大作の試写に上京した。

567分という長編。山形常連のワン・ビン監督の『鉄西区/545分/山形ドキュメンタリーで大賞受賞 』以上だ。
前の晩、ちょっと興奮して寝られなかったミッキーだが、東京・銀座の松竹試写室に一番乗りした。どんなにすごい場面や証言が飛び出すか震える気持ちだった。が、壮絶な映画だが残酷な映像は一つもなかった。死体もなかった。

収容所の警備、管理の下働きはユダヤ人の中から選ばれた若くて屈強な人たちが行っていた。その辛い仕事も何月もの間に麻痺してしまう人間的感情。自分だけ生き残った呵責など重い口から語られていた。

顔を映さないという条件で元ナチスの親衛隊にも語らせている(その条件は守られていない)。そんな時の監督の追い詰め方には「立ち位置」のバランスに疑問が出る。

挿入された音楽はなく、聞こえるのは自然音だけ。何回も何回も映される列車、線路、森、周りに住むお百姓の家々。この静かな場所で、どれだけの人が列車から降ろされ殺されていったのだろうか・・・。

奇跡的に生き延びた方の中で、印象に残った話は「身軽で歌の上手い少年とその歌声を聴いていた近くに住む農民の話」「床屋の男の話」が身に堪えた。

この長編作品とその後ランズマン監督が作った『ソビブル、1943年10月14日午後4時』『不正義の果て』が来年2月に限定公開される。
posted by ミッキー at 12:56| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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