
介護ヘルパーの山岸サワ(安藤サクラ)は、派遣先の家族からおじいちゃんと一晩過ごしてほしいと依頼される。当日の夜、思いもよらぬ事故が起こり、サワは寮から追い出され、もちろん仕事も失ってしまう。
貯金もなくその日からホームレスになったサワは、プチ家出をしている老人とカラオケで夜を明かし、次の日は、スーパー駐輪場の自転車をパンクさせる茂(坂井利夫)や、エロ写真集を万引きする義男(津川雅彦)ら癖の悪い老人を見つけては家に上がり込み、強引に彼らのヘルパーとなる。
はじめこそ驚き怒る老人たちも、美味しいご飯、痒い所に手が届く介護で次第に態度を軟化させるが……。
有楽町のスバル座に行った。入る前の通路にある立派な看板に、食い入るように見ていらっしゃる方がいる。そう言えば、先日も立ち止まって見ていた人がいた。
この劇場は中に入るとエレベーターがないので

やはり劇場内は私が一番若い(と、思う)。けっこう入っている。皆さん、3時間以上


観てよかった!一番最初の悲惨な家族模様の不可解が「そうだったのか!」と最後にわかる。主人公サワの人生をがらりと変え、転落の一途をたどる、この最初の家での出来事が、このような結びになっているとは。見事な展開だ

3時間強は確かに長いが、その長さは「老人の何回もしゃべらす戦争経験談」「じっくり見せる登場人物の変化」などで無駄なシーンはない。内容はすべて今の世相を表している。どこかで聞いたような「内容」だが、「介入して掘り下げる」描写としては1分すらカットできないと思った。
1ミリの半分でも・何かに心を傾ける・人の言葉に耳を傾ける…題名のつけ方も気に入った。