
フランスのアルプス山脈にある男子修道院グランド・シャルトルーズ修道院のケルンのカルトジオ会は、カトリック教会の中でも最も厳しい戒律で知られている。その修道士たちに世界ではじめてカメラを向ける。構想から21年かけられた本作は、修道院からの条件で、音楽もナレーションもなく、照明も使っていない。
厳しい戒律の中で最も特異なことは週に一度しか会話が出来ないこと。必要に応じて連絡箱に書いていれるようだが、複雑でない日々にはあまり伝言はないのだろう。口は災いの元なんていうことがない世界。
聖歌以外は歌わず楽器は禁止。礼拝以外は一人ひとりに決められた仕事を黙々としている。だが厳しさでがんじがらめの暮らしではなさそうだ。それは、時折写る修道士たちの瞳が平穏な光りをたたえているからだ。
どんな経緯でここに入ったのか・・・と聞いてみたい衝動に駆られる。入るのも、出るのも自由だが、ここには合わないと思ったら修道院から断ることが出来るそうだ。
本当に細工も作為もなく、ありのままの姿を映している。観ているうちに俗世間から切り離されて、映画館にいることすら忘れそうになる。静寂・無言の修道院・・・静寂・無言で観ている映画館・・・少し似ている?いや、似ても似つかない場所だけど、この作品を観ている間だけ、沈黙の素晴らしさがわかった。
自慢にはならないが、一睡
