
ルーマニアの首都・ブカレスト。上層階級のコルネリア(ルミニツァ・ゲオルギウ)は、30歳にもなる一人息子・バルブ(ボグダン・ドゥミトラケ)のことが気になってしょうがない。
子連れの女と同棲してから、こちらには顔も出さなくなった。社交界の名士たちがこぞって祝うコルネリアの誕生パーティにも顔を見せない。
自分の家の家政婦を週2回ほど息子のマンション(すごい豪華マンションでもちろん親のもの)に行かせて、バルブの家を探らせている・・・。
そんなある日、バルブが交通事故を起こし子供を死なせてしまったという連絡が入る。
ア〜、女の子で良かったとつくづく思った。ミッキーおばぁだって息子がいて、映画という趣味が見つけられなかったら、こうなっていたかも・・・。
ルーマニア映画は『4ヶ月、3週と2日』『汚れなき祈り』を観ているが、深刻で暗く、貧しさが全篇を覆っていた。この『私の、息子』は、同じ国とは思えないくらい

人脈、金の力にあかして母親が画策する。それを逆手に、この時こそ「チャンス」とばかりに難題をふっかけるやつら。「袖の下」が日常の会話に出てくる国。ルーマニアに漂っている空気が、ひたひたと押し寄せてくるような作品だった。
※息子が薬を買ってきてくれとコルネリアに頼むが、ちゃんと色も説明しているのに、1ランク上の薬を買ってきて罵倒されていたが、おばぁも同じことで娘に叱られる。「1つでいいって言ったのになんで3個も買うの?」と言われる。なんだか観ていて
