
1980年代、アパルトヘイトの南アフリカで、投獄されていたマンデラ氏の釈放に尽くしたフランス人ビジネスマン・ジャン=イヴ・オリヴィエのドキュメンタリー。
オリヴィエ氏はアルジェの独立戦争後、フランスへ脱出した。
1981年、オリヴィエは南アフリカに行った時、アルジェと同じような状況を目の当たりにする。
石油ビジネスの成功で

ジャン=イヴ・オリヴィエ氏にこそノーベル平和賞を差し上げるべきだ
この作品は、20年以上の時を経た今、ジャン=イヴ・オリヴィエ氏ご本人の談話、知人・政治家の当時の話、その合間に当時の現場のフィルムが流れている。
やっと留守電やFAXが普及した頃で、携帯電話やパソコンもほとんどないといってもいい時代に、不安定な政情の国で、火中の栗を拾うような難しくて危険な交渉をした彼。それも

彼はトランプ占いをしながら「手持ちの札で勝負、交渉ごとはドミノ倒しのようだった」と当時を振り返っていたが、その駆け引きはスリルに満ちていた。
国と国の交渉ごとでも、つまりのところは人間対人間ということだということを、はっきり分からせてくれたドキュメンタリーだった。
※最後の交渉が終わり、ホッとしていたら、誰も彼を乗せないで飛行機で引き上げてしまい、暗い飛行場で一人ポツンとしていた立役者の姿や、長い間、骨をおってくれた影の功績者を知らなかったマンデラさん、後にオリヴィエ氏に国家勲章を贈っていたシーンが印象深い。