
月に2〜3回は上京するが、そんな時に東京の試写室や映画館においてあるチラシを集めてくる。
昨日、沼津から名古屋に帰り、チラシをボーっと見ていたら『黒四角』のチラシに目がとまった。
どこかで見たぞ? この男優・・・それも最近・・・アツ!

さて、この作品は2012年の東京国際映画祭で上映された。その時の感想を書いてみた。
売れない画家チャオピン(陳璽旭)は、恋人のハナ(鈴木美妃)と北京郊外の芸術家村で暮らしていた。
ある日、彼は画廊で目にした「黒四角」という題で、黒く塗りつぶされただけの絵に、不思議な感覚に囚われてしまう。
しばらくたって、空飛ぶ黒い物体を目にした彼は、それに導かれるように荒野にたどり着き、大地に降りた黒い四角から、裸の男(中泉英雄)が現れ驚く。男の正体はわからないが、そのうちに妹リーホアも男を追い始める。
これは日本の奥村監督が全編を北京郊外で撮影した作品。
この空気感は日本が撮影地ではきっと不可能だと思う。天空に浮かぶ「魔法の絨毯」のような黒い四角。それはドラえもんの「どこでもドア」でもあり「タイムマシーン」でもある。
後半、日中戦争との絡みが出てくるが、そこに描かれているのは、人間的なつながりと逆らうことのできない運命と、もう一つ、輪廻転生の不思議が描かれていた。
観る人を選ぶ映画とは、この作品のことをいうのだな・・・と異空間にとらわれながら思った。