2014年02月01日

2月1日(土曜) 『ドフトエフスキーと愛に生きる』


カチンコ『ドフトエフスキーと愛に生きる』ヴァディム・イェンドレイコ監督/スイス・ドイツ/93分/2月22日(土)より渋谷アップリンク、シネマート六本木、3月8日より名古屋・名演小劇場ほか全国順次公開/http://www.uplink.co.jp/dostoevskii/

この作品は2011年の山形ドキュメンタリー映画祭で『5頭の象と生きる女』という題名で上映された。そして、優秀賞・市民賞の2冠を受賞した傑作。

当時、題を見て「5頭の象を調教した女の人のドキュメンタリーか?」と思ったが違った。
ドフトエフスキーの長編小説「罪と罰」「カラマーゾフの兄弟」「悪霊」「未成年「白痴」五頭の象と呼んでいたからだ。
その五頭の象をドイツ語に翻訳した女性スヴェトラナ・ガイヤーにスポットを当てている。

スヴェトラナ・ガイヤーはウクライナに生まれ、父親はスターリンによって逮捕され、釈放された後に病死する。ナチスがキエフを占領するが、彼女はドイツ語が出来たのでドイツ人として第2次世界大戦後の人生を送っているのだ。

かなりの年齢の方だが、古いつくりの家に一人住み、時々来る口述筆記やタイプを打つ方と翻訳の仕事をしている。翻訳の言葉一字一句も自分の考えを曲げず、相手が違う意見を言っても、納得しなければ、じっと相手が意見を引っ込めるまで、黙って同じ姿勢で待つ・・・だんまり作戦に出る頑固さだ。

彼女が父の墓参りに60年ぶりに故郷ウクライナに帰える彼女の心境は複雑だったに違いない。

まだ公開のめどはたっていないようだが、この年の山形映画祭で『光、ノスタルジア』
パトリシオ・グスマン監督/フランス、ドイツ、チリ/山形市民賞(最優秀賞)という秀作もある。
『ドフトエフスキーと愛に生きる』と同じ会社が買っているので、私は公開ニュースを心待ちにしている。

簡単に紹介したい。
天文学の聖地チリ・アタカマ砂漠。果てしない天文学上の問題と、ピノチェト政権の弾圧の犠牲者家族たちの止まった時間が、監督の語りと圧倒的な映像で表している。

アタカマ砂漠は世界一乾燥した土地。天文観測に適しているため、世界中の天文学者が集まる聖地だ。
だがこの砂漠には、ピノチェト大統領の独裁政権時代の政治犯の遺体も埋まっている。
行方不明の息子たちの遺骨を小さなスコップで掘りおこしている女性たちを静かに捉えていた。

posted by ミッキー at 11:54| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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