2014年01月28日

『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』アレクサンダー・ペイン監督/アメリカ/115分/2月28日(金曜)よりTOHOシネマズシャンテ他にて全国ロードショー公開/http://nebraska-movie.jp


カチンコ『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』
「モンタナ州のウディ・グラント様。我々は貴殿に100万ドルをお支払いいたします」という手紙が来た。誰が見てもインチキな手紙なのに、すっかり信じてしまったウディ(ブルース・ダーン)は、遠いネブラスカまで歩いてでも賞金を取りに行こうとする。

実際、一人で行きかけて、高速道路で警察に保護されている。
大酒飲みで頑固な父親ウディとは、仲は良くなく当たらず触らずにいる息子のデイビッド(ウィル・フォーテ)は、父の「なにが何でも行く」という頑固さを見かねて、納得させるために一緒に車でネブラスカまで旅に出ることにした。

主人公はよぼよぼだけど、骨格がしっかりした作品!
『アバウト・シュミット』『ファミリー・ツリー』
の監督さん。
この2作品もうら寂しい男を主人公にしている。

夫の頑固さを諦めきっている老妻は、事あるごとにデイビッドに電話して「父さんがまた出て行った」とか「警察に保護されているから迎えにいってくれ」などと連絡してくるのだ。

もう一人、息子はいるが有名な司会者らしく、両親は近所で一人暮しのデイビッドを頼りにしているのだ。
会話も言葉が少ないが、家族の様子や生活レベルがよく理解でき、状況もすぐわかる。

この作品はモノクロで、どちらかというと少ない会話(それも、ほとんど悪口などで毎度の台詞が多い)に俳優さんの表情が加味されて、とてもカラフルに感じた。私生活を覗いている感覚に近いかもしれない。
言葉の応酬は一方的ながら「味」あり、日常の言葉にハッとする「旨み」がある。

本当の憎しみ、悲惨、辛苦はない。日常の「ちょっと困った年寄りを抱えている」苦労だ。
年寄りの周りの人は、自分の生活の中で、年老いた両親を見て行くのは「余分」なことで、そのための「時間」のやりくりに頭を抱える。

そんなどんな家庭にも起こりえる「難儀」なことから始まるこの作品は、その「難儀」というハードルを越えた時に始めて「つながり」が生まれてくる。

父・息子の心をつないだ小旅行だけど、また日常に戻りそんなことなんか忘れて口汚く罵ったとしても・・・家族は何回も何回も再生(難儀なハードルを越え)して行くだろうと思った。
posted by ミッキー at 22:57| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: