今日が私の初映画日となった。それに相応しい作品にめぐり合えた。

最終列車が行ってしまい東京駅。照明もおとされた深夜のプラットフォームにかげろうのような半透明の列車が入ってきた。車両から降りて来て整列した兵士たちもふわふわと心もとない歩みだ。
この一団はサイパン島で玉砕をとげた部隊の兵士たち。隊長の秋吉少将(笠智衆)は「それぞれの肉親がどう暮しているか見てきなさい」という。
秋吉は二重橋に行き、部隊を玉砕させたことを頭をたれて詫びる。
結婚を約束していた女性の家をのぞく者、同僚と結婚していた元妻と子どもをみて驚く者、内職のミシンで生活している妻をいとおしむ者、家は焼けて老いた母の姿を捜し求める者・・・、
それらの姿を見て感謝したり、皮肉を嘆いたりする兵士たちの姿を描いていた。
この作品は戦後10年あまりで作られたが、その時の評判はどうだったのだろう。
胸が締め付けられる思いと、ホッとする思いが交差する中で、戦争で亡くなった方々が未だに浮かばれていないのではないかなと、ふと思った。

次郎(岩垂幸彦/名子役!)の白石牧場で馬のタケルが生れた。次郎の父の弥助も、姉の雪江(若尾文子)も、将来、騎手になりたい兄の一郎(遊佐晃彦/実際の騎手)も

しばらくして山林が火事になり、タケルは煙の中に巻きこまれた。弥助は火中に飛びこみタケルを救ったが全身のやけどで死んでしまう。その後、タケルは競走馬になるために、騎手養成所に入る一郎と一緒に東京の厩舎に行くことになった。
馬の年に相応しい文句なしの感動作品

この馬は「幻の三冠馬」と呼ばれたトキノミノルがモデル。
競馬ファンには必見の映像シーンがたくさんあった。
映画第1日目に2014年度の「名作部門」ベストテンが観られた。幸先がいい!