昨日・今日と近鉄株主券の乗車券二枚(1枚1400円 乗ってから降りるまで使えて名古屋〜鶴橋間の急行に乗った)を使い大阪へ遠征・映画観賞。
お見舞い方々行くのだが、どっちが本命かわからない。
目的の映画館は梅田ガーデンシネマ。大阪駅から歩いて8分ぐらいのビル街の中。
『ハンナ・アーレント』マルガレーテ・フォン・トロッタ監督/ドイツ/2012年
1960年、ナチス親衛隊でユダヤ人の強制収容所移送の責任者だったアドルフ・アイヒマンが、イスラエル諜報部に逮捕される。ニューヨークで暮らすドイツ系ユダヤ人の哲学者ハンナ(バルバラ・スコヴァ)は、1961年から64年まで裁判を傍聴。その後、彼女が発表した記事は大きな波紋を呼ぶ。
・2012年の東京国際でみたが、ほとんど忘れているので、同じ監督と俳優の作品『ローザ・ルクセンブルグ』も観たいので、上映している大阪に来た。
有名なアイヒマンの裁判フィルムがうまく使われていた。あの当時「この平凡な小男と、彼がとった非情な行動が結びつかない」とその矛盾を説き明かそうとした記事は相当な覚悟がいったと思う。
彼女自身のおかれている微妙な立場「ハイデネッガーの愛人だった事実」もあらわになり、暗い影を落としているが、何十年ぶりで会う二人の淡々とした様子に驚いた。
地味な作品だが、「悪」の本質とは何かという哲学的なことを考えてしまった。
『父の秘密』マイケル・フランコ監督/メキシコ/2012年
ロベルト(ヘルナン・メンドーサ)は、最愛の妻ルシアを自動車事故で失う。父と娘アレハンドラ(テッサ・イア)は新しい土地でやり直すため高級住宅街プエルト・ヴァラルタからメキシコシティへ引っ越して来た。ロベルトはレストランの共同経営が思い通りにいかないが娘には何くれと世話をしていいお父さん。
一方の娘は、新しい学校ですぐに同級生たちと仲良くなったが、クラスの人気者ホセ(ゴンザロ・ヴェガ)とお酒を飲んだ勢いで関係を持ってしまう。ホセがその一部始終を動画に撮っていて学校中に配信する。ホセに好意を抱いていた女友だちのグループから、イジメがはじまった。
あ〜、父の秘密という題だから、もっと違うものを想像していた。
例えば、娘は死んだ母の子ではないとか、父はゲイだとか・・・こんな内容なら観たくなかった。
イジメってどこの国でもやることは似ていると思っていたが、これは格別!
父子関係はとっても仲良しで、新しい場所で一緒にやっていこうという優しさに溢れていた。
考えてみれば、この年頃でこんなのは珍しい。
これが口もあまり聞かなくって仲が悪かったらどうだったろうか。
良かったからこそ心配かけまい、泣いているとこなんか見せられないとなってしまったのなら悲しい。
最後のシーンも衝撃的だった。苛めたのは彼だけじゃないのに、「やる」なら苛めた子を全員やれ!と思った!本気で思った!
『ローザ・ルクセンブルク』マルガレーテ・フォン・トロッタ監督/ドイツ/1986年
ポーランドに生まれ19世紀末から第一次世界大戦までの激動のベルリンで社会活動家として生きたローザ・ルクセンブルク生涯を描いた伝記映画。
彼女が1919年に右翼派によって惨殺されるまでが描かれている。
・すみません。少し
『ハンナ・ハーレント』と同じ監督さんと女優さん。
はっきりした物言い、人の好き嫌いがすぐに顔に出てしまう激しい性格。だが彼女には人をひき付ける魅力があり、周りにはいつも有力な理解者がいた。その当時、若い女性活動家は珍しかったのだろうか。
私の頭の悪さでは到底半分も理解できなかった伝記映画だった。