大学院まで進みながら、脚本家として商業デビューが叶わなかったウェン・シャン(フー・ゴー)は、寡黙な同居人シャオイン(ウー・レイ)と暮らしながら、葬儀場での「弔辞の代筆業」のアルバイトで生計を立てていた。
丁寧な取材をして作る弔辞は評判が良く、生活も贅沢しなければ暮らしていける。
だがもうすぐ40歳のウェン・シャンは、このままで良いのかと自問自答する今日この頃だった。

余韻のある作品。邦題も良い。映画中の音楽は効果音のようにも聞こえる独特な「音」が多く興味を持った。
有名な俳優さんも出ないし、美男美女もいない。でも人間ドラマが静かに丁寧に描かれていた。
主人公は脚本家になれず食うために死んだ人の弔辞を代筆して生活している男。死んだ人の聞き取りを家族や友人に協力してもらい文を書いていくのだが、同じ家族でも見方が違ったり、文を見て「書き直して……」と詰め寄ってくる人もいる。
そんな人間模様を見ていて、自分自身を顧みることもあって、自分はこのままでいいのかと思い悩む時もある。
もっと深い彼自身の悩みなどもあるが、これ以上のことは書かないでおく。
★弔辞などありきたりの文でいいのにと思っていたミッキー。この作品で中国のお国柄などが伺えた。