午後7時、ラジオ局に1本の電話が入り、その直後に発電所で爆破事件が起こる。電話をかけてきた謎の男は、交渉人として、ラジオ局に左遷された有名ニュス番組「ショウタイム7」の元キャスター・折本眞之輔(阿部寛)を指名。
これを番組復帰のチャンスと考えた折本は公開生放送中の「ショウタイム7」に乗り込み、自らキャスターを務めて犯人との生中継を強行する。
しかしそのスタジオにも、すでにどこかに爆弾が設置されていた。自分のすべての発言が生死を分ける極限状態に追い込まれてしまいう。

テレビの生放送中に爆弾犯との命がけの交渉に挑むキャスターの姿をリアルタイム進行で描くサスペンス。2013年公開の韓国映画『テロ、ライブ』を渡辺一貴監督がオリジナル展開を盛り込 んで作った。
2014年の夏に見た韓国棋院『テロ、ライブ』、もう10年前だが緊迫感が半端ではなくて今でもはっきりおぼえている。
その時の感想を
『テロ,ライブ』キム・ビョンウ監督/韓国/98分
かつては人気を誇っていたアナウンサーのユン・ヨンファ(ハ・ジョンウ)は、不祥事のためにテレビからラジオに配置換えをされてしまった。そんな彼にラジオ番組の生放送中「漢江にかかる橋を爆破する」という脅迫電話を受けるが、いたずらだと思って相手しなかったが、なんと電話を切った途端に橋が爆発。
ヨンファは爆破テロだと思い、事件の実況を上司の報道局長(イ・ギョンヨン)に持ちかけた。これを成功させてテレビに復帰しようとの魂胆もあった。
面白い!息つく暇もない緊迫感で圧倒された!
内容は過激すぎるので「ここまでやるかぁ」とは思うが、韓国映画なら許せる!となるから不思議なものだ。
ところがだんだん話が分かるに連れて中継ライブをするユン・ヨンファも、犯人の考えに同調していく過程がうまく描かれている。「そうだ、そうだ、庶民をそんなにコケにするなど、持ってのほかだ!」とおばぁも観ながら応援してしまった。
監督はキム・ビョンウさん。今韓国映画界で一番注目されている若手監督。この作品は「あまりにも強烈すぎる」となかなか映画化にならなかったそうだ。
主演で孤軍奮闘するハ・ジョンウさんはそんなに美男ではないが、親しみの持てるお兄様という感じの方。
で、日本の新作は、予算の都合上か展開が「内」にこもっていて、意外性は多少あるもののダイナミックな点では韓国には及ばなかった。阿部寛の野心がお顔にぺったり張り付いていて、それだけでお腹いっぱいになってしまった。