2025年01月08日

2024 ベストテン ホラー映画(1位から3位あり、他は順位なし)

1位『サユリ』白石晃士監督、脚本

やっと念願の一戸建てに引っ越してきた神木一家。祖父母も皆で暮らせるのを喜んでいた。

夢のマイホームでの生活がスタートしたが、どこからか聞こえる奇妙な笑い声とともに、家族が一人ずつ死んでいくという異常事態が発生。

神木家を襲う恐怖の原因は、この家に棲みつく少女の霊「サユリ」だった。

一家の長男・則雄(南出凌嘉)にもサユリの影が近づき、則雄はパニック状態に陥るが、そこへ認知症が進んでいた祖母・春枝(根岸季衣)がはっきりと意識を取り戻して「アレを地獄送りにしてや」と言い放つ。

則雄は祖母と2人、家族を奪ったサユリへの復讐に挑むが……。


押切蓮介の同名ホラー漫画を白石晃士監督が実写化。

日本映画のホラーでは今年一番の作品。おばあちゃん役の根岸さんに怪演女優賞だ。ホラー好きなお方は是非とも劇場に。

よく聞く音楽のオンパレードだが、展開や状況にピッタリで、上手く使われていた。

★監督賞、助演女優賞


2位『エルダリー/覚醒』ラウル・セレッソ、メスフェルナンド・ゴンザレス・ゴメス監督/スペイン

記録的な猛暑に襲われたスペインのマドリード。気温が上昇していく日々が続いていた。そんなある日、ナイア(パウラ・ガジェゴ)の祖母ロサが、祖父マヌエル(ソリオン・エギレオル)の目の前でバルコニーから身を投げた。そのことがきっかけで、マヌエルの様子もおかしくなってしまう。

マヌエルの息子マリオ(グスタボ・サルメロン)は、ロサが飛び降りたことによるショックのせいだと考えるが、マヌエルの様子は日々悪化していき、ついにはマリオら家族に対して殺意を向けるようになった。

一方その頃、最高気温を記録した街は、奇行を繰り返す老人たちが見受けられるようになって……。

地球規模の社会問題となっている温暖化と高齢化した人間社会を題材に取り入れ、異常気象によって老人たちが狂っていく様子を描いたスペイン発の異色ホラー。

この作品のどの分野を見ても手抜きなし❗️もちろん描かれていることは実際には起こり得ないが、その起こり得ない展開は、見ている者を巻き込んで、不可思議な世界に連れて行ってくれる。

★作品賞

3位『デストラップ 狼狩り』ショーン・リンデン監督、脚本/カナダ、アメリカ

猟師のジョセフ(デヴォン・サワ)は妻・アンヌ(カミール・サリヴァン)、娘・ルネ(サマー・H・ハウエル)とともに人里離れた森に暮らしていた。

アンヌは娘の教育のために近くの村に住もうと提案しても、ずっと山で暮らしていたジョセフは「ここで暮らせていけるように猟のやり方を教えているから、学校に行く必要はない」と言い張るばかり。

10歳ほどのルネは猟の仕方、銃の撃ち方、ワナの掛け方、獲った獲物の捌き方を着実に学び取っていて、他の知識も母親から教えてもらっていた。

このところ獲った獲物の毛皮の値段が下がり、生活も苦しくなってきていた。

そんなある日、野生の狼によって、罠にかかった獲物を食い荒らされたジョセフは、狼を狩るために新たな罠を仕掛けたが、森の奥で彼が発見したのは、明らかに異常な人間に惨殺された複数の登山者の死体だった。

音おどしはない。音楽は丁寧でどちらかというとおとなしくて上品。効果音もいい。だけど「映像おどし」がある。獲物の皮を剥ぐシーン、惨殺死体などじっくりみせてくれる。それに最後が凄まじい。

★脚本賞、撮影賞


🎬『テリファー 聖夜の悪夢』ダミアン・レオーネ監督、脚本/アメリカ

ハロウィンの大虐殺を生き延びたシエナとジョナサンは、それを苦しみながらも人生を立て直そうと努していた。しかし、町がクリスマスシーズンを迎えたある日、アート・ザ・クラウンが再び姿を現し、聖夜を祝おうとする住民たちを絶望のどん底に陥れて……。

不気味で超残虐で情け容赦ないピエロの殺人鬼アート・ザ・クラウンがもたらす恐怖を描いた人気ホラー「テリファー」シリーズの第3弾。

ハロウィンの夜に現れて殺戮の限りを尽くしたアート・ザ・クラウンは、今作はクリスマスに姿を現し、新たな惨劇を巻き起こす。

ホラー好きなミッキーも「こりゃ、ひどい❗️」と唸ってしまった。いったい血のりは風呂桶に何倍使ったのかと驚いた。

映画も中で残虐に殺すのは良いが「どうして こうなったか」がこの3作品目だけみていて、明確にわからなかった。


🎬『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』近藤亮太監督

一緒に山中で遊んでい弟の日向が失踪するという過去を持ち、現在は行方不明となった人間を捜すボランティア活動を続けている兒玉敬太(杉田雷麟)のもとに、母親から古いビデオテープが送られて来た、

そのビデオテープには日向がいなくなる瞬間が映されており、霊感を持つ敬太の同居人・天野司(平井亜門)は、そのテープに不吉なものを感じた。

もう一度この事件と向き合いたいと敬太は存在するはずのないある山の廃墟に向かう……。

日本で唯一のホラー映画の一般公募フィルムコンペティション「日本ホラー映画大賞」第2回大賞を受賞した近藤亮太監督の長編映画デビュー作。

久しぶりにゾクっとさせてもらった日本のホラー映画。忌まわしい過去「負」に引き寄せられるように進んでいく展開に、真の恐怖を感じた。

同居人で霊感の強い男性、週刊誌の女性記者など登場するが、それぞれが常識的に行動しているのも好感が持てた。


🎬『悪魔と夜更かし』コリン・ケアンズ、キャメロン・ケアンズ監督、脚本/オーストラリア

1977年、ハロウィンの夜。放送局の深夜のトーク番組「ナイト・オウルズ」の司会者ジャック(デビッド・ダストマルチャン)は、生放送のオカルトライブショーで人気低迷を打開しようとしていた。

霊聴やポルターガイストなど怪しげな超常現象が次々と披露されるが、この日のメインゲストはルポルタージュ「悪魔との対話」の著者・ジューン博士(ローラ・ゴードン)と本のモデルとなった悪魔憑きの美少女リリー(イングリッド・トレリ)が登場。

視聴率獲得のためジャックは、テレビ史上初となる「悪魔の生出演」を実現させようとするが……。

オーストラリア発のホラー映画ってどんなレベル?と題名の面白さで見に行った。はじめは笑いながら見ていたが「これ、やらせでしょ?」と思えなくなる展開にギョっとした。

特に司会者役の男優さん、悪魔つき美少女の方、音楽(定番のテルミン)が良かった。

ありそうなことがてんこ盛りで「アレはウソ」と言えない部分もあった。

★主演男優賞


🎬『ジョーカー フォリ・ア・ドゥ 』トッド・フィリップス監督、脚本/アメリカ

不平等で理不尽な世の中で、民衆の代弁者として祭り上げられたジョーカー。そんな彼の前にリーという謎めいた美しい女性が現れる。

ジョーカーの狂気はリーへ、そして群衆へと伝播し、拡散していく。

孤独で心優しかったコメディアン希望の男は、悪のカリスマとなって暴走。世界を巻き込む新たな事件が起こる。

ジョーカーをホアキン・フェニックス。音楽療法士のリーをレディー・ガガ。見応え、聴き応えは最高❗️だった。

「Folie à Deux」とは、フランス語で「2人狂い」という意味で医学用語。1人の妄想がもう1人に伝染し、たくさんのに同じ妄想や狂気を共有する精神障害のこと。なんだか「コロナ」みたい。

『ジョーカー』にはホロリとしたが、続編新作はそれに驚愕がプラスされた作品。

★主演女優賞


🎬『インフィニティ・プール』ブランドン・クローネンバーグ監督、脚本/カナダ、クロアチア、ハンガリー

スランプ中の作家ジェームズ(アレクサンダー・スカルスガルド)と出版社社長の資産家令嬢である妻エム(クレオパトラ・コールマン)は、高級リゾート地として知られる孤島リ・トルカへバカンスにやって来た。

着いてまもなく、ジェームズの小説のファンだという女性ガビ(ミア・ゴス)に話しかけられた彼は、ガビ夫婦とジェームズ夫婦は、一緒に食事をすることにした。

2組の夫婦は意気投合し、観光客は絶対ー行かないよう警告されていた敷地外へドライブに出かけるが……。

X エックス』『Pearl パール』のミア・ゴスが目当て。今までの役も残酷だったり、勝手だったり思うがままの女の子?だったが、「理由」がちゃんとあったし、理解できた。

でも今度は違う。どう違うかは観てのお楽しみだが、ミッキーとしては「こっちの方」には進んでほしくない女優さん(上手かったけど………)。

このリゾート地のある島は、このリゾートだけが唯一の儲けどころ。ここで村人を巻き込む事件を起こすと、観光客と同じクローンを作って(その施設も完備)、それに罪を償わせてやるから、大金を出せ というわけ。

作家ジェームズはリゾート地外で村人を轢いてしまい死亡させたので……、人体模造シーンも手抜かりなしで見せてくれた。


🎬『ハンテッド 狩られる夜』フランク・カルフン監督/アメリカ、フランス

製薬会社フィンザーでSNSマーケティングを担当するアリス(カミーユ・ロウ)は、不倫相手の同僚と密会中、深夜に夫から電話あって、急いで家に帰る途中、人里離れたガソリンスタンド横の小さなコンビニに立ち寄りコーヒーを飲むが、従業員の姿などはなかった。

仕方なく店を出ようとした瞬間、突然どこからか銃弾が飛んできてアリスは腕を負傷。車には不倫相手愛人が乗っていたが眠っていて気付いてくれない。やがて目覚めた彼も射殺されてしまう。

スマートフォンも壊されて、助けを呼ぶ手段はなく、スナイパーの目的もわからないまま、悪夢のような一夜が始まって……。

ガソリンスタンドのコンビニの品を使って応急処置や反撃できそうな物品を探すが、どれもみんな犯人には見えているようだ。

面白くなるのは後半で、彼女の方が残酷味を増して行く。お客で来た老夫婦が無惨にも射殺され……、おっと、書けるのはここまで。


🎬『スマホを落としただけなのに 最終章  ファイナル ハッキング ゲーム』中田秀夫監督

長い黒髪の美人女性ばかりを狙った連続殺人事件。被害者は落としたスマホから個人情報から、家族や恋人の命まで奪われてしまう。

人の心を操る天才的ブラックハッカーである連続殺人鬼・浦野善治は、ネットでは「神」とまで呼ばれている存在。そんな犯人も刑事の加賀谷学によって一度は逮捕されたものの、刑務所内からサイバー攻撃を企て、警察内の混乱の隙をついて姿を消してしまった。

そんなある日、日本政府に突如として大規模なサイバーテロ攻撃が仕掛けられる。発信元は韓国のソウルで、浦野による犯行だと疑われるが……。

このシリーズ、どんどん怖くなっている。ここでは「人間剥製」が登場。

こうなったらもうホラー映画。しかし、最後は「愛」で締めくくられていてホッとした


posted by ミッキー at 22:06| Comment(0) | ベストテン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする