2025年01月01日

あけましておめでとうございます 2024年日本映画ベストテン(1位から3位あり、他は順位なし)

あけましておめでとうございます。本年もブログ頑張ります。

去年は体調が悪く良い年とは言えませんでした。体調は波がありましたが、そんな中で408本(最後はペパーミントソーダ)の作品を見ることができました。

今までどおり、いつまで映画を見続けられるかわかりませんが、どうかよろしくお付き合いくださいませ。


1位『カラオケに行こ!』山下敦弘監督

変声期に悩む合唱部の男子中学生と歌がうまくなりたいヤクザの交流をコミカルに描いた作品。

中学校で合唱部の部長を務める岡聡実は、ある日突然、見知らぬヤクザの成田狂児から歌のレッスンをしてほしいと頼まれる。

組長が主催するカラオケ大会で最下位になった者に罰ゲームとして奇妙な入れ墨を入れられるため、どうしても歌がうまくならなければならないのだという。

嫌々ながらも歌唱指導を引き受ける羽目になった聡実は、カラオケを通じて少しずつ狂児と親しくなっていくが……。

綾野が狂児を演じ、聡実役にはオーディションで選ばれた新星・齋藤潤を抜てき。

面白くて2回も見てしまった。不思議な縁で仲良くなる2人。

山下監督は『ばかのハコ船』からのファン。

★ 新星・齋藤潤に新人男優賞


2位『地球星人(エイリアン)は空想する』松本佳樹監督、脚本、編集、美術、撮影

正義感が強く、嘘を書いたり、大仰に膨らませて書くことが大嫌いな雑誌記者の宇藤(田中祐吉)は、編集長から「UFOのまち」石川県羽咋市で起きた「大学生エイリアンアブダクション事件」の取材を命じられた。

気乗りはしなかったが、嘘を暴こうと現地に向かうが……。

……。

新鮮な魅力でいっぱい。カメラのブレ?は演出だと思うがミッキーお婆にはちょっと辛かった。だが、物語の展開は◎

宇宙人としては無理がなく、反対に地球人としてみると、なんと思い込みが偏っているところに、私たちは住んでいるのか……と考えさせられた。

★不思議な少女を演じた山田なつきさんに助演女優賞。


3位『まる』荻上直子監督、脚本/117分

美大を卒業した沢田(堂本剛)は人気現代美術家のアシスタントとして浮かばれない毎日を送っていた。
そんなある日、彼は自転車事故で右腕にケガをしたために職を失ってしまう。

部屋に帰ると、床には1匹の蟻がいて、その蟻に導かれるように○(まる)をかき、知り合いの古物商に売りに行くが、馬鹿にされてしまうが長年のよしみで置いてもらった。ところがそれが思いがけなくSNSで拡散され、彼は正体不明のアーティスト「さわだ」として一躍有名人になって……

いやー、驚いた。荻上監督作品の作風の変容と堂本剛の演技力、つぶやくような歌声にしびれてしまった。ストーリー展開もオチも抜群。

出てくる方々も、売れない漫画家の綾野剛、コンビニ店員の森崎ウィン、ギャラリーオーナーの小林聡美らが個性豊かに演じていた。

★女性監督賞


🎬『ルート29』森井勇佑監督、脚本

他人と必要以上のコミュニケーションを取れない女性・のり子(綾瀬はるか)は、鳥取で清掃員として働いている。

ある日、彼女は仕事で訪れた病院の入院患者・理映子から「娘のハルを連れてきてほしい」と頼まれ、何かに突き動かされるように車で姫路へと向かう。

ハルは風変わりな女の子で、初対面ののり子に「トンボ」というあだ名をつける。のり子とハルは姫路と鳥取を結ぶ国道29号線を行く途中で、さまざまな人たちと出会い、のり子の心はいろんな感情で満たされていく。

正直、面白い映画でも見応えのある映画でもない。出てくる方々は「普通」ではない。内容は書けないが、こんなこと頼まれたらほとんどの人は断ることもなぜか引き受けてしまったり、きっとこんなの見たら警察に届ける状態でも、自分でなんとかしたりするので、共感する部分がなかった。

ところがそのうちに「普通じゃない」が伝染して「ま、こういう人たちもいるんだろうなぁ」に無理なく納得できた不思議な映画だった。

『こちらあみ子』で長編デビューして第27回新藤兼人賞金賞を受賞した森井勇佑監督。今作は綾瀬はるかを主演に、詩人・中尾太一の詩集「ルート29、解放」にインスピレーションを受けた独創的なストーリーのロードムービー。『こちらあみ子』で主演した大沢一菜がハルを演じている。

★脚本賞


🎬『身代わり忠臣蔵』河合勇人監督

嫌われ者の吉良上野介(ムロツヨシ)から陰湿ないじめを受けて、耐えかねた赤穂藩主が、江戸城内で吉良に斬りかかった。赤穂藩主は当然切腹となったが、実は斬られた吉良も逃げ傷で瀕死の状態になっていた。死んだとなれば、お家取り潰しも免れない。

そこで吉良家の厄介者で、上野介にそっくりな弟・孝証(ムロツヨシ)を身代わりにして幕府の目を騙し抜こうという作戦が実行されることになった。

一方、切腹した赤穂藩主の部下・大石内蔵助(永山瑛太)は、仇討ちのチャンスをうかがっているように見えたが……。


「忠臣蔵」を基に「身代わり」という設定を加えてコミカルに描いた土橋章宏の同名小説。ムロツヨシが主演。

忠臣蔵の基本的なことの起こり、江戸城のしきたりなどあらためて教えてくれた。

それにしてもムロツヨシを主演とは、それもお顔は似ていても性格は正反対の兄弟。上手い役者と思った。

家来の「身代わり主」の扱いも、敵の大石との仲も展開スピードが良い頃合いで満足した。これ、時期が12月中頃の公開ならお正月映画バッチリなのに……

★主演男優賞


🎬『夜明けのすべて』三宅唱監督、脚本



PMS(月経前症候群)のせいで月に1度イライラを抑えられなくなる藤沢さん(上白石萌音)は、会社に入ったばかりの同僚・山添くん(松村北斗)の行動がきっかけで、怒りを爆発させてしまう。

炭酸水ばかり飲んでやる気がなさそうな山添くんだったが、彼もまたパニック障害を抱えていて気力も失っていたことがわかった。

職場の人たちの理解に支えられながら過ごす中で、藤沢さんと山添くんの間には、恋人でも友達でもない同志のような特別な感情が芽生えはじめる。

もっと早く観るべきだった。ミッキーの身体や気持ちにフィットして、時間が離れてなかったら繰り返してもう一度観たいほどだった。
人が寄るところで揉め事がないところなんてないと思っていたが、こういう会社もあるんだな……(それが映画内だけのことでも)と優しい気持ちになった。若い2人も期待を裏切って(笑)何もなく終わるが、それも良かった。三宅監督、ありがとう。

★監督賞


🎬『愛に乱暴』森ガキ侑大監督、脚本/105分

初瀬桃子(江口のり子)は夫・真守(小泉孝太郎)とともに、真守の実家の離れで暮らしている。義母・照子(風吹ジュン)とは表向きは上手く付き合っていたが、夫は自分に無関心なことが悩みだった。悩んでいることは隠して明るく振る舞っていた。

彼女は週2回ほど石鹸教室の講師をしていたが、手の込んだ料理を作って、日々を充実させていた。

そんな頃、近隣のゴミ捨て場で不審火が続いたり、可愛がっていた仔猫が不明になったり、匿名の人物から不倫アカウントが表示されるようになって、桃子は少しずつ不安定になってしまう。

吉田修一の同名小説の映画化。監督は『おじいちゃん、死んじゃったって。』『さんかく窓の外側は夜』の森ガキ侑大。

江口のり子さん、出ずっぱり! 痛み、イライラ、が、バンバン伝わってきた。

掴みどころのない浮気夫の小泉孝太郎も、優しげな義母の風吹ジュンも憎いくらい良い!

★主演女優賞


🎬『すべての夜を思いだす」清原惟監督、脚本

高度経済成長期の入居開始から50年がたった多摩ニュータウン。公園と団地と一軒家がどこまでも続く広々とした街には、静かでのんびりとした時間が流れている。

そんな風景も中、誕生日を迎えた知珠(兵藤公美)は、友人から届いた引っ越し通知のハガキを頼りに、ニュータウンの中を歩いている。

団地内のガス検針員をしている早苗(大場みなみ)は行方不明になった老人と出会う。

大学生の夏(見上愛)は、亡き友人が撮った写真の引換券を持って、友人の母に会いに行く。

それぞれの理由で街の中を移動する3人の女性たちは、人気のない街で、出逢うべき人の面影を追っている。


取り残された「ニュータウン」の「今」を3人の女性を通して的確に描いている。女性たちも見ようによっては「取り残され」感がある。でも各々にふりかかる「思うようにはならない」を深刻にならず受け止めている。

セリフの間合いの取り方、風景のすみっこに映る人影などが、観ている者の気持ちに「ちょっと引っかかったり」して面白い作りになっていた。

🎬『もしも徳川家康が総理大臣になったら』武内英樹監督

コロナ禍の2020年。首相官邸でクラスターが発生して総理大臣が急死。大きな危機に直面した政府は最後の手段として、歴史上の偉人たちを「AIホログラム」で復活させ最強の内閣をつくることにした。

江戸幕府を作った徳川家康(野村萬斎)を総理大臣、織田信長(GACKT)や豊臣秀吉(竹中直人)といった偉人たちが集結した夢のような内閣が誕生する。

その圧倒的なカリスマ性と実行力で日本中が熱狂する中、新人テレビ局員・西村理沙(浜辺美波)は新内閣のスクープをしようと、政府の官房長官を務める坂本龍馬(赤楚衛ニ〕に接近しようとするが……。

期待せずに試写に行ったが、ツボにハマった❗️野村萬斎の力強い声、経済産業大臣の織田信長、財務大臣の豊臣秀吉らが適材適所になっているのも納得。

『翔んで埼玉』の武内監督のコメディ調で本領発揮。ガハッと笑って、うんうんとうなづいて、いっとき暑さを忘れた。

★エンタメ賞

🎬『夏目アラタの結婚』堤幸彦監督

日本中を震撼させた連続バラバラ殺人事件の犯人で、逮捕時にピエロのメイクをしていたことから「品川ピエロ」と呼ばれてでいる死刑囚・品川真珠(黒島結菜)。

児童相談所職員の夏目アラタ(柳楽優弥)は、その事件の被害者の子どもに頼まれ、まだ発見されていない被害者の首を探すため、いろいろ手を尽くして、真珠に会うことにした。

だがアラタの前に現れた真珠は、残虐な事件を起こした凶悪犯とは思えない風貌だった。アラタは真珠から情報を引き出すため、大胆にも彼女に結婚を申し込む。毎日1回20分だけ許される面会の中で、会うたびに変わる真珠の言動に翻弄されるアラタ。やがて真珠はアラタに対し、自分は誰も殺していないと告白した。

主演は柳楽優弥。原作は乃木坂太郎の同名ベストセラーコミック。

奇異な縁で死刑囚の女と獄中結婚かする柳楽優弥。死刑囚の女に黒島結菜。脇には佐藤二朗、中川大志、丸山礼、立川志らく、市村正親が共演。

サスペンス度は上々❗️最後まで席をお立ちにならないで。






posted by ミッキー at 15:58| Comment(0) | ベストテン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする