🎬『山逢いのホテルで』マキシム・ラッパズ監督、脚本/スイス、フランス、ベルギー/92分/伏見ミリオン座にて
スイスアルプス山脈をのぞむ小さな町で、注文服の仕立をしている中年女性クローディーヌ(ジャンヌ・バリバール)は、障がいのある息子をひとりで育てている。
毎週火曜日になると彼女は自分でデザインした洋服を着て、山の上のリゾートホテルを訪れ、一人旅の男性客を選んで、その場限りの関係を楽しんでいた。
真剣に恋をすることなどないと思っていたクローディーヌだったが、ダムの責任者である男性の出会いによって、彼女の人生は大きく揺らぎ始める。
主人公は40代の女性クローディーヌ。障害を持つ男の子(16、7歳かな)のお母さん。時々お年寄りの方が男の子の見守りをしにやってくる。夫とは離婚していて時々手紙が来るぐらい。贅沢はできないが持ち家もあって細々と洋服を作って生計を立てている。
そんな中で彼女の楽しみ?は、スイスに訪れる旅行者との後腐れのないセックス……決してお金ォ貰わず「ありがとう」と言って別れている。
そのままいけば問題はなかったが、離れ難い男性(知性があって独身)に巡り合って、家を売って息子を施設に預けて……と決断するが……ああ、書きすぎてしまった。
アルプス山脈を背景に綺麗事では済まされない女の一生の断片を静かに描かれていた。
目に焼きついたシーンがあった。彼女が家を売ろうと庭の縦横を自分の足幅で測るシーン。大股で息を切らして測っていた。その場面で「まだ私は若いんだ、新しい人生を進もう」という意欲を見せてくれたように感じた。
★ファッションデザイナーとして活躍してきたスイス出身のマキシム・ラッパズが長編初メガホンをとった。