2024年10月23日

伏見ミリオン座 10月のオールナイト上映のお知らせ

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🎬『ムーンライト』 バリー・ジェンキンス監督/アメリカ/111分

名前はシャロン(小学生の頃/アレックス・ヒバート)だが、学校では名前なんかで呼んでくれず「リトル」とか「オカマ」と、からかわれる存在だった。身体が小さくて内気な性格で「オカマ」の意味さえわからなかった。

そんなシャロンにとって、同級生のケヴィン(十代の頃/ジャハール・ジェローム)だけは二人の時に声をかけてくれる唯一の友人だった。高校生(アシュトン・サンダース)になってもそんな交友が続いた。

ある日の夜、月明かりが輝く浜辺で、シャロンとケヴィンは初めてお互いの心が理解できて不器用な抱擁をする。

泣けた。映画館で映画が終わり明かりがつくまでの時間さえ文句を言う人がいると聞いたことがあるが、この映画で同じような気持ちになった。上質な余韻が残る作品。


🎬『カモン カモン』マイク・ミルズ監督、脚本/アメリカ/108分

ニューヨークに住んでアメリカをあちらこちらに駆け巡っているジャーナリストのジョニー(ホアキン・フェニックス)は、ロサンゼルスに住む妹がやむおえない事情で家を留守にするので、ちょうど仕事の切りがついたジョニーは9歳の甥っ子をロサンゼルスの妹の家で預かることにした。だが、甥っ子ジェシー(ウディ・ノーマン)との共同生活は驚きと困惑の連続で……。

『ジョーカー』でアカデミー賞主演男優賞を受賞したホワキン・フェニックスさんを前に屈託のない表情で演じたウディ・ノーマン君、あなたはウディ・アレンのお孫さんですか?と聞きたくなるほどの名演技だった。

彼の無邪気な顔には時々「不安」がよぎるのは「ママが僕をおいていく」理由がわかっているから……、それは書かないでおくが、子どもは何でも敏感に察する能力があって、隠す能力も持っていることにをあらためて気付かされた。


posted by ミッキー at 21:55| Comment(0) | 映画祭・映画関連催し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年10月21日

109シネマズ名古屋で『抓娃娃(じゅあわわ) 後継者養成計画』『まる』『憐れみの3章』

歩いて10分ほどの109シネマズ名古屋に行った。観たのは『抓娃娃(じゅあわわ) 後継者養成計画』『まる』『憐れみの3章』で、久しぶりの3作品連続で観た。もうすぐ東京国際映画祭なので体を「映画祭体質」にしておこうと頑張った。

🎬『抓娃娃(じゅあわわ) 後継者養成計画』イエン・フェイ、ポン・ダーモー監督/中国/133分

少年ジーイェの父親は大企業の社長で大金持ちだが、跡取り息子が裕福な環境で育つことに不安を感じ、物心つく前から一家でオンボロな部屋へ引っ越し。息子の大学入学まで貧乏家庭のふりをし続けようと、十数年にわたる「養成計画」を実行していた。

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これ本当にあったお話。面白く見たが「やりすぎ」にはついていけなかった。祖母を死なせてしまう(これも嘘で)まで、やることないのに……。


🎬『まる』荻上直子監督、脚本/117分



美大を卒業した沢田(堂本剛)は人気現代美術家のアシスタントとして浮かばれない毎日を送っていた。
そんなある日、彼は自転車事故で右腕にケガをしたために職を失ってしまう。

部屋に帰ると、床には1匹の蟻がいて、その蟻に導かれるように○(まる)をかき、知り合いの古物商に売りに行くが、馬鹿にされてしまうが長年のよしみで置いてもらった。ところがそれが思いがけなくSNSで拡散され、彼は正体不明のアーティスト「さわだ」として一躍有名人になって……。

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いやー、驚いた。荻上監督作品の作風の変容と堂本剛の演技力、つぶやくような歌声にしびれてしまった。ストーリー展開もオチも抜群。

出てくる方々も、売れない漫画家の綾野剛、コンビニ店員の森崎ウィン、ギャラリーオーナーの小林聡美らが個性豊かに演じていた。


🎬『憐れみの3章』ヨルゴス・ランティモス監督、製作、脚本/アメリカ、イギリス/ 165分

『籠の中の少女』『ロブスター』『ロブスター」「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』のランティモス監作品はミッキー好みで今だに記憶に残っている。

だが新作にはついていけなかった。自分が劣化したのだろうか……。




posted by ミッキー at 07:55| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年10月19日

川面の輝きの中で 10月25日公開『がんばっていきまっしょい』

🎬『がんばっていきまっしょい』櫻木優平監督、脚本/95分/10月25日より新宿ピカデリー、109シネマズ名古屋他にて全国ロードショー公開。

美しい海、山の自然が広がる愛媛県松山市。三津東高校2年生の村上悦子(声:雨宮天)は、やりたいことも見つからず退屈な日々を過ごしていた。

そんなある日、彼女のクラスに転校生の梨衣奈(声:高橋李依)がやって来る。悦子と幼なじみで親友の姫(声:伊藤美来)は「ボート部に入りたい」と言う梨衣奈の願いに巻き込まれて、廃部となったボート部を復活させることになった。悦子は仕方なく名前だけ貸すと承諾したが…

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女子ボート部が舞台になっているアニメ。お年寄りが選んで観る映画ではないのはわかっているが、ミッキーはとっても楽しめた。

キャラクターの絵柄が好み、言葉が今風だがきれいで丁寧、表情が可愛い。みんな高校3年でかなりレベルの高い高校なのに受験、成績の話はない。

でも、ボート競技を通じて「心を一つにしないと勝てない」のセリフにハッとした。この部活経験はきっとその後の生き方にプラスになると思う。

人生において「心を一つに」する出来事はどんだけあるかは人それぞれだが、そう簡単ではないということも教えてもらった。

posted by ミッキー at 17:27| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする