🎬『大いなる不在』近浦啓監督、脚本/133分
幼い頃に自分と母を捨てた父(藤竜也)が警察に捕まったという連絡を受けた卓(森山未來)は、妻(真木よう子)と共に久々に九州にいる父の元を訪ねる。しかし父は認知症で別人のように変わっていて、父の再婚相手である義母(原日出子)は行方不明になっていた。
卓は父と義母について調べてみる。
もっと早く見ていたが、なんだか書く気が失せてしまった。ボケるのは仕方ないが「こんなボケ方は嫌だ〜」と叫びたくなった。以前は自信家の皮肉屋、愛する人に身の回りの世話をさせて、ボケたあとは誇大妄想と息子に過去の許しを強引に乞う勝手さ。
この男は自分以上に愛した人や家族はいなかったはず。好きになれない男だが、それに振り回される息子もそれに付き従う妻も今の時代には考えられない。
しかし、絶対つまらなくはない。自分中心の哀れ男の顛末を見事に表している日本映画だった。