2024年06月21日

6月21日公開映画『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』

🎬『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』アレクサンダー・ペイン監督/アメリカ/133分/伏見ミリオン座にて

1970年代のマサチューセッツ州にある全寮制の寄宿高校学校が舞台。生真面目で皮肉屋で学生や同僚からも嫌われている歴史教師ポール(ポール・ジアマッティ)は、クリスマス休暇に家に帰れない学生たちの監督役を務めることになった。

残った生徒は4人のはずだったが、母親が再婚したために休暇の間も寄宿舎に居残ることに急に決まった学生アンガス(ドミニク・セッサ)、寄宿舎の食堂の料理長として学生たちの面倒を見るメアリー(ダバイン・ジョイ・ランドルフ)と、ポールの7人だったが、ひょんなことから、途中でポール、メアリー、アンガスの3人に。

それぞれ立場も異なり、一見すると共通点のない3人が、クリスマス休暇を疑似家族のように過ごすことになって……。

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三人三様、すぐには見えない悩みを抱えていて、ゆっくりとあらわになってくる。ハッピーエンドではないが、どうにか先に進めそうな雰囲気を残して幕になっていた。構成力のある作品だった。

★第96回アカデミー賞では作品賞、脚本賞、主演男優賞、助演女優賞、編集賞の5部門にノミネートされ、ダバイン・ジョイ・ランドルフが助演女優賞を受賞した。
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2024年06月20日

『あんのこと』伏見ミリオン座にて

🎬『あんのこと』入江悠監督、脚本/113分

売春や麻薬の常習犯である21歳の香川杏(河合優実)は、ホステスの母親と足の悪い祖母と3人で狭いアパートで暮らしている。

子どもの頃から酔った母親に殴られて育った彼女は、小学4年生から不登校となって、12歳の時に母親の紹介で初めて体を売っていた。

そんな彼女は、人情味のある優しい刑事・多々羅(佐藤二朗)と出会い、多々羅や彼の友人であるジャーナリスト・桐野(稲垣吾郎)の助けを借りながら、新たな仕事や母親に見つからないように住まいを探し始める。

しかし突然のコロナ禍によってすれ違いが生じてきて……。

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『SR サイタマノラッパー』の入江悠が監督が、ある少女の人生をつづった2020年6月の新聞記事に着想を得て撮った人間ドラマ。

少しの希望、明るい未来が見えない作品だった。前に劇場で予告を観た時から想像はできたので、いち早く観たい作品ではなかったが、稲垣吾郎が見たくて重い腰を上げた。

少女の体をベタベタ触って慰める刑事にも胸糞が悪くなったし、稲垣吾郎のジャーナリストの「匂い」とか「アク」が薄くてミスキャストのように感じた。

足の悪い祖母は、母親をどんなふうに育てて、あーなったのか、知りたかった。



posted by ミッキー at 22:10| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年06月19日

Netflix『アバンとアディ』

Netflix『アバンとアディ』ジン・オング監督、脚本/マレーシア/114分

アバンとアディは小さい時から兄弟同様でマレーシアのブドゥで育って小さなアパートで2人で暮らしていた。身分証明書を持っていないために、パスポートや銀行口座も作れない。アバン(ウー・カンレン)は生まれつき口がきけず、真面目に働いて安定した生活をしたいと思っているが、アディ(ジャック・タン)は手っ取り早く金儲けをしようと、危険な仕事に手を出している。

そこにNGOから派遣された社会福祉士の若い女性がやって来て、2人に身分証明書を取得する手助けに全力でしてくれるが、アディと口論が元で「事件」が起きてしまう。そのことでアバンとアディは窮地に立たされていく。

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Netflixでこんなに気持ちが揺さぶられる作品に出会うとは思わなかった。他民族国家のマレーシアが抱える「闇」が2人の青年の生活を通して見事に描かれていた。

貧しい生活の中でもいつもお互いを思いやる「愛」があって、涙なしでは観られなかった。

同じアパートに住みふたりを幼い時から見守るマニーを演じるケ金煌(タン・キムワン)が素晴らしい。Netflixだけでは勿体無い作品。



posted by ミッキー at 07:22| Comment(0) | DVD Netflix | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする