2024年05月21日

『ありふれた教室』伏見ミリオン座にて

🎬『ありふれた教室』イルケル・チャタク監督、脚本/ドイツ/99分

仕事熱心で正義感の強い若手教師のカーラ(レオニー・ベネシュ)は、新たに赴任した中学校で1年生のクラスを受け持つ。同僚や生徒の信頼を得ていたが、ある時、校内で盗難事件が続出。カーラの教え子が犯人として疑われる。

校長らの強引な調査に反発したカーラは、独自に犯人捜しを開始。ひそかに職員室の様子を撮影した映像に、ある人物が盗みを働く瞬間がブラウスの袖と腕だけ映っていた。

だが盗難事件をめぐるカーラや学校側の対応は、やがて保護者の批判や生徒の反発、同僚教師との対立もあって、カーラは次第に孤立していく。

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ある中学校で発生した小さな事件が予想もつかない方向へと進み、校内の秩序が崩壊していく様子を、新任教師の目を通して描いたサスペンス・ドラマ。

フランス映画ではよく学級ものの作品が多いが、難題が起きてもセリフの中にユーモアがまぶしてあるのでさほど辛辣には感じない作品が多いような気がする。

しかし、このドイツ映画は容赦がない。

この映画を見てミッキーの小学生4年生の時の事件?を思い出した。4年生で金沢から名古屋に父の転勤で転校した学校で、新卒の女先生が担任になった。いろいろミッキーのことを気にかけてくれて、すぐに大好きになった。その先生が教卓に10円玉をたくさん置いてしばらく放置していて、放課後「ここに置いてあったお金は一つも無くなっていなかった。みんな良い子たちとわかって嬉しい」と笑顔でお話ししてくれた。ところがその後、これが問題になって、1週間経たないうちに女先生はいなくなってしまった。

このドイツ映画はとことん戦い、辞めると仄めかすと、この教師不足に辞めさせるわけにはいかないとやめる自由もない。こんな教室がありふれたとは…‥ちょっと日本では考えられない。日本はすぐに「臭いものに蓋」をしてしまうから。

★ドイツのアカデミー賞にあたるドイツ映画賞で作品賞はじめ5部門を受賞。第96回アカデミー賞の国際長編映画賞にノミネートされた作品。

posted by ミッキー at 17:12| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする