🎬『関心領域』ジョナサン・グレイザー監督、脚本/アメリカ、イギリス、ポーランド/105分/5月24日より新宿ピカデリー、伏見ミリオン座他にて全国ロードショー公開。
ホロコーストや強制労働によって多くのユダヤ人を死に至らしめたアウシュビッツ強制収容所。そのすぐ隣で平和な生活を送る所長の一家の日々を描いている。
ミッキーの母がよく「どんな臭いところでも3分も経てば匂わなくなる」と言っていたことを思い出した。この作品は特殊な状況を表しているが、今、私たちが暮らす世でも「関心」のない「領域」、反対に「関心」のある「領域」もある。
他人が「異常な生活」を見て「今までよく気付かずに暮らしていたね」と言われそうな事も、起こる可能性はある。
アウシュビッツのお隣に住んでいても、その一家には日常。金持ちのユダヤ人の毛皮のコート、宝石など兵士たちが見せにくるシーン、時々聞こえる銃声、所長奥様が数年かけて作った庭園、野菜畑……立ち退きが決まってもここに住みたいと言っていたシーン。
後から思い出すちょっとした日常会話が、深く蘇って来た。
★イギリスの作家マーティン・エイミスの小説が原案。第96回アカデミー賞で国際長編映画賞を受賞。