🎬『システム・クラッシャー 』ノラ・フィングシャイト監督、脚本/ドイツ/118分 /4月27日よりシアター・イメージフォーラム、ナゴヤキネマ・ノイ他にて全国順次ロードショー公開
父親から受けた暴力のトラウマを抱える9歳の少女ベニー(ヘレナ・ゼンゲル)は手のつけようがないほど攻撃的で、里親やグループホーム、特別支援学級などで問題を起こしていた。ベニー本人は母親のもとへ帰ることを強く望んでいるが、母親はベニーに愛情を持ちながらも、どう接して良いかわからず、施設に預け続けている。
そんな中、非暴力トレーナーのミヒャ(アルブレヒト・シュッフ)は3週間の隔離療法を提案。ベニーと2人きりで森の山小屋で過ごすことにした。はじめのうちは文句を言い続けていたベニーだったが、徐々にミヒャに対して心を開き始めて……。
色白で金髪の9歳の少女ベニーを当分忘れそうにない。悪夢に出てくるかもしれないほどだ。一度怒りに火がつくと手がつけられなくて、警察が身体を拘束するほど凄まじいのだ。
この役を演じることができる子役など世界中をさがしてもそういるもんじゃない。声も、怒声や狂気の声を難なく出している。
ベニーの周りにいる実母、施設の人がどんなに親切に心を砕いてもベニーに押し寄せる激情にはなすすべもない……。とても疲れる映画だが、是非とも観ていただきたい。