🎬『ピストルライターの撃ち方』眞田康平監督、脚本/118分
近未来、地方でふたたび中規模の原発事故が起こった。大ごとになるのを恐れて公にはしないこととなった。だからすぐ隣町の市では一見今までどおりの生活が続いていた。
事故が起こって町の立入禁止区域の除染作業員を、労働者が集まる部屋まで連れて行く運転手を、ヤグザから請け負っている達也(奥津裕也)の家に、刑務所から出所した親友の諒(中村有)と、出稼ぎ風俗嬢のマリ(黒須杏樹)が、訳あって同居することになって……。
達也の家は立ち入り禁止の外で、諒の家は立ち入り禁止で、帰って来ても寝泊まりする場所がない。だから達也の家に住むようになって、仕事も除染する人夫としてすぐに働き口が決まった。
だが大人しくて真面目そうな風貌が変われて、夫がヤクザ組織からの借金を踏み倒して逃げたので、妻であるゆりが除染労働者に体を売って借金を返させようと町に連れて来たが、おとなしい女でないために、諒に見張り役を任された というわけ。
大きな事故でなくても禁止区域ができて「秘密裏」とは行かぬだろうに……。でも福島第一原子力発電所事故で起きたであろう「雛型」と思って観てしまった。当時、現場を仕切っているのはヤ○○と聞いたことがあって、命知らずの男たちが高賃金を目当てに集まり、それを、また目当てにして飲み屋や女たちが集まった……とも聞いた記憶があった。