2024年1月19日よりスタートしたユニフランスが世界中で展開するオンライン映画祭「第14回マイ・フレンチ・フィルム・フェスティバル(MyFFF)」が2月19日をもって閉幕。
各賞の受賞作品が発表された。視聴者の評価で決まる観客賞にはアラン・ウゲット監督の長編アニメーション『イヌとイタリア人、お断り!』が選出!国際プレス審査員賞とW受賞となった。
🎬『イヌとイタリア人、お断り! 』アラン・ウゲット監督/フランス・イタリア・ベルギー・スイス・ポルトガル/70分/2022年
20世紀の初め、ウゲット一家はイタリア北部のウゲッテーラに住んでいたが、この地の生活では将来が見通せないと思い、一家は外国で生活を立て直すことを決めた。
言い伝えによれば、ルイジ・ウゲット(監督の祖父)はアルプスの山々を超えてフランスで新しい生活を始め、一家の運命を変えた。そんなルイジの人生を孫である監督が振り返る。
監督は祖父と父から工作の技術を伝授されたこともあって、一家の物語を映画制作に取り入れている。今作では祖父の物語を通してイタリア移民の歴史を織り込んで描いている。
色合いも音楽も大仰な描写はないが、当時のフランスで受けた差別や生活の貧しさが克明に描かれていた。監督さんがお小さい時には、そこら中のお店に「イヌとイタリア人お断り」の張り紙があったらしく、意味を聞くと「ここの犬はイタリア人が好きで噛み付くからだよ」と教えてくれたと語ってくれた。
どんな苦労も乗り越えられたのは「家族の団結と愛情」の賜物だ。この作品が公開されることを強く願う。