🎬『伯爵』パブロ・ラライン監督/チリ/111分/撮影賞・エドワード・ラックマン
チリの近代史を基に、独裁者ピノチェト(ハイメ・バデル)を吸血鬼として想定。チリ南端にある廃墟のような屋敷でひっそりと暮らす吸血鬼アウグスト・ピノチェト。
生き血を飲み250年も生きながらえてきた彼だったが、生きることに疲れ、永遠の命を手放すことを決意するが、家族はそんな彼に、最後にもうひと儲けしてからでないと死なせないと言われ……。
チリのパブロ・ラライン監督によるモノクロ・奇想天外ホラー。チリの近代史を基に「独裁者ピノチェトはドラキュラ」だったという異世界を描いている。
実際のピノチェトは91歳までのうのうと生き、隠し財産も未だに曖昧。ひょっとして「永遠の命をドラキュラの血」で、どこかの国のトップに成り代わって……と考えても頷ける「今の世界」。恐ろしやである。
夜空を飛ぶドラキュラのシーンが数回出てくるが、撮影者のセンスがそこここに光っていた。