昨日、伊豆高原から東京・東中野に。娘の住むアパート。一階が人気の風呂屋さん 歩いて8分で映画館・ポレポレ東中野。昨日はほとんど満員で諦めたが9日までに、3本は観たいと思っている。
1位
🎬『雄獅少年 ライオン少年』ソン・ハイペン監督/中国/104分/名古屋109シネマズにて
広東の田舎で暮らす少年チュン(声:花江夏樹)は家が貧しく、両親は長い間広州に出稼ぎに行って、チュンは祖父母と暮らしていた。
ある時、自分と同じ名をもつ獅子舞の女の子チュン(声: 桜田ひより)と知り合ったことがきっかで、チュンは獅子舞の世界にあこがれを抱くようになった。
女の子にもらった獅子舞の被り物で自分もやってみようと、猿のような顔ですばしっこいマオ(声: 山口勝平)、太鼓はマオの知り合いでいつも包丁でトントンと肉を切っているおデブのゴウ(声: 落合福嗣)と共に獅子舞チームを結成した。
3人の師匠は、若いころは町一番の獅子舞の踊り手だったという干物屋の店主チャン(声: 山寺宏一)で、獅子舞の練習が始まるが……。
中国の伝統芸能である獅子舞の演者を夢見る少年たちを描いた長編アニメーション。
劇場には10人足らずだったので、期待もせずに観たが、今年のアニメ部門のベストテンに絶対に入るレベルだった。声の出演も皆良かった。中国風の音楽も郷愁を誘った。ところどころクスッと笑わせる箇所もあって、家族全員で楽しめるようになっていた。
2世紀ごろ中国大陸で発祥された獅子舞。現代中国の獅子舞は、前足を担当する1人と、背中と後ろ足を担当するもう1人が獅子となって、旧正月や店の開店祝いの時に「招福駆邪」として演じられている。
★作品賞
2位
🎬『骨』クリストバル・レオン&ホアキン・コシーニャ監督、脚本/チリ/14分
2021年のチリで、ある映像が発掘される。1901年に撮影されたその映像は、少女が人間の死体を使って謎の儀式を行なう様子を記録したものだった」という設定で作られた短編。
床下から出てきた骨。少女は怖がりもせずに無造作に扱い骸骨を太鼓に、骨を両手に持って太鼓のように叩いている。骨を集めて火をつけると首から上が生きている状態になって……少女の動きが無邪気なのでグロテスクさはない。それに反して音楽はかなり不気味だった。
2021年・第78回ベネチア国際映画祭オリゾンティ部門で最優秀短編映画賞、ひろしまアニメーションシーズン2022の環太平洋・アジアコンペティションで最優秀賞を受賞した。
★映像賞
3位
🎬『北極百貨店のコンシェルジュさん』板津匡覧監督/日本/79分
デパートの従業員は人間。だがお客様はすべて動物たちである「北極百貨店」の新人コンシェルジュ・秋乃(声: 川井田夏海)は、フロアマネージャーの東堂(飛田展男)や先輩コンシェルジュに見守られながら第1日目が始まった。
百貨店にはあらゆる種類の動物たちがやって来るが、その中でも「絶滅種」である「V.I.A(ベリー・インポータント・アニマル)」は個性派ぞろい。妻を喜ばせたいワライフクロウ、父へのプレゼントを探すウミベミンク、プロポーズに思い悩むニホンオオカミなど、それぞれ悩みを抱える動物たちの思いに、孤軍奮闘する秋乃だが……。
月一回ぐらいデパ地下のみのミッキーだから、デパートであんなに親切にされたことはないが、70分が30分ぐらいに感じて「もっとみせて〜」と言いたくなった。監督さんは『百日紅 Miss HOKUSAI』のキャラクターデザインをした方。背景も抜かりなく、声の出演には文句なし❗️ご家族全員で楽しめるアニメーションだ。
★監督賞
★脚本賞
🎬『 映画 窓ぎわのトットちゃん』八鍬新之介監督、脚本/114分
自由奔放で好奇心旺盛、おまけにおしゃべり大好きな小学1年生のトットちゃん(声:大野りりあ)は、落ち着きがなく他の生徒に迷惑だと学校を退学させられてしまう。
東京・自由が丘にあるトモエ学園に通うことになったトットちゃんは、恩師となる小林校長先生(声:役所広司)と出会い、自由でユニークな校風の 中でのびのびと成長していく。
黒柳徹子さんが自身の子ども時代を書いたベストセラー「窓ぎわのトットちゃん」のアニメーション映画化。監督さんは「ドラえもん」シリーズの八鍬新之介。
声の出演で役所広司さんが校長先生のキャラクターの絵より役所広司さんのお顔が浮かんで困った。アニメ声優で有名俳優を使って欲しくない。アニメ声優さんにやってもらいたい。他の声の出演は◎。特にトットちゃんをやったリリアさんは良かった。
それ以外は上出来のアニメ作品で、笑いと切なさが絶妙。ご家族全楽しむことができる。
★大野りりあに声優賞
🎬『長ぐつをはいたネコと9つの命』ジョエル・クロフォード監督/アメリカ/104分
帽子に羽根飾り、マントと長ぐつがトレードマークのお尋ね者の賞金首ネコ「プス」。剣を片手に。冒険をして恋もした。気が付けば9つあった命は残り1つになっていた。急に「死」が怖くなって、賞金首でいることをやめて「家ネコ」になることにしたが、プスを狙う敵の襲来を受け、平和な生活はすぐに壊されてしまう。
そんな時、どんな願い事もかなうという「願い星」の存在を知ったプスは、再び命のストックを得るため旅に出るが……。
猫は9回生き返るという謂れが日本にもある。まあ、執念深い性質からきたと思うが、プスネコは最後の9生目手前で残り一生と気づくのだ。やりたいことやり尽くして愉快な人生、いや猫生なら良いじゃないかと言ってやりたいが、どんな願いも叶う「願い星」を知って旅に出るのだ。
ミッキーは吹き替えで見たが、かなりテンポが早いので字幕より良かったのではと感じた。映像の色目は原色はあまりなくて目は楽だったし、最後に歌った曲もよかった。
★色彩賞
★歌唱賞
🎬『ミュータント・タートルズ:ミュータント・パニック!』ジェフ・ロウ監督、脚本/アメリカ/9月22日より新宿バルト9,、109シネマズ名古屋にて全国ロードショー公開。
ニューヨークの地下に通じるマンホールの下のもっと下で カメのミケランジェロ、レオナルド、ラファエロ、ドナテロは、拳法の達人であるネズミのスプリンターを父とも師匠とも慕って武術の腕を磨いていた。
小さい時から血を搾り取る人間に見つからないように暮らしてきたが、普通のティーンエイジャーとして高校に入りたいと願っていた。
スプリンターには固く止められていたが、謎の犯罪組織を倒すことで自分たちの存在を認めてもらおうと、彼らは忍者の扮装をして戦いに乗り出すが……。
ニューヨークを舞台にカメの忍者4人組の活躍を描いて、根強い人気を誇る「ミュータント・タートルズ」を、アメコミタッチの新たな手法で映画化した長編アニメーション。
亀くんたちは人間の高校生女子と出会う。この子も高校で虐められたり、からかわれたりしてひとりぼっち。亀くんたちを怖がりもせず一致協力。謎の犯罪組織に挑戦したり、人間の誤解を解いたりして……。
話の展開はわかりやすく、スピード感もあるので小学生高学年ならオッケー。ご家族でお楽しみいただける。試写は日本語吹き替えだったが、話の展開が早いのでミッキーには吹き替えで良かった。声の出演は宮世琉弥、「日向坂46」の齊藤京子、佐藤二朗。みんな文句無し❗️
★吹き替え賞
🎬『プチ・二コラ パリがくれた幸せ』アマンディーヌ・フルドン、バンジャマン・マスブル監督/フランス/86分
パリの街にある小さなアトリエ。イラストレーターのジャン=ジャック・サンペ(声:ローラン・ラフィット)と作家のルネ・ゴシニ(声: アラン・シャバ)は、ニコラと名付けた少年のキャラクターを主人公にして物語を作っていた。
いたずら好きなニコラがクラスメイトたちと過ごす愉快な日々を描きながら、サンペ自身は自分が叶えられなかった「幸せな少年時代」を追体験していく。一方のゴシニは、過去の悲劇を胸に秘めていた。
フランスで50年以上にわたって愛され続ける児童書「プチ・ニコラ」をアニメーション映画化。親友同士でもある原作者2人の波乱に満ちた人生に「プチ・ニコラ」の物語をまじえて描いている。
ニコラの作家の2人は少年の名前を決めたり、両親の職業を決めたり、毎日通う学校も様子など、相談しながら決めていく。それがとってもきめ細かく「ニコラの誕生」に自分の人生や叶えられなかった生活を満たして行って、幸せな気分にしてくれた。
白紙の画用紙に鉛筆を走らせると、学校ができて、家の門扉や庭ができて、いとも簡単に描かれていく。街の背景も手抜かりなしで「絵」ということを忘れそうになった。
ジャン=ジャック・サンペ氏は去年の夏89歳でお亡くなりになった。ニコラが「僕も死ぬの?」って聞いていたシーンがあった。サンペ氏は「ニコラはずっと生き続けるよ」と言っていた。
🎬『哀しみのベラドンナ』山本暎一監督/89分/1973年
中世フランスの農村。ジャンとジャンヌは婚礼の日を目の前に、領主に結婚の許可を2人して願いに行ったが、貢ぎ物が足りないと怒り、そのかわりジャンヌの処女を奪われた。
怒りと悲しみにくれるジャンに「嫌なことを忘れて、生きていこう」というジャンヌ。2人はよく働いて幸せに暮らしていた。その後、村は飢饉になったが、ジャンヌの紡ぎ糸のおかげで食うには困らなかった。
そんなジャンヌを妬んで「悪魔が取り憑いている」と噂になって……。
原作はフランスの歴史家ジュール・ミシュレの小説『魔女』。
虫プロとヘラルド映画提携の大人のためのアニメーション。挿絵画家・深井国の原画が中心。作画監督は杉井ギサブロー。主人公のジャンヌの声を長山藍子、悪魔を仲代達矢が声をやっていた。ナレーションは中山千夏。
約50年前の珍品アニメ。音楽が懐かしい歌謡曲調だが、歌っている方は「声がまっすぐなのに曲想が出ていて」とても上手い。マリンバも上手かった。
アニメでもセックスシーンは際どく、想像させるような動き、呻き声をつけていて相当な「色もの」で、大人のためのアニメ。
★音楽賞
🎬『マルセル 靴をはいた小さな貝』ディーン・フライシャー・キャンプ監督、製作、原案、脚本、キャラクター作り、編集、出演
アマチュア映画作家のディーン(声:監督)は、靴をはいた、体長およそ2.5センチのおしゃべりな貝のマルセル(声: ジェニー・スレイト)と出会う。ディーンは彼が語る人生に感銘を受け、マルセルを追ったドキュメンタリーをYouTubeにアップするが……。
実写とストップモーションアニメを組み合わせて、映像作家ディーン・フライシャー・キャンプが2010年から14年にかけてYouTubeで短編を公開。5000万回の再生を記録した短編作品を長編にした作品。第95回アカデミー賞でも長編アニメーション賞にノミネートされた。
マルセルは頭は良いがちょっと臆病なところがあるが、おばあちゃん(声: イザベラ・ロッセリーニ)が勇気があって行動的に描かれていた。
🎬『愛しのクノール』マッシャ・ハルバースタッド監督/オランダ/73分/イオンシネマ名古屋茶屋にて
9歳になる女の子バブスは、誕生日のプレゼントに子犬のかわりに、ニューヨークから突然訪ねてきた祖父スパウトから子豚を贈られる。
最初は不満だったバブズだが、子豚をクノールと名付けて一緒に暮らすうちに、かけがえのない存在になっていった。
しかし、祖父がバブスに子豚をプレゼントしたのは、ある恐ろしい理由が隠されていて……。
幼稚園児からお年寄りまで楽しめるパペットアニメ。観客はお一人さまが6人
女の子パブスの家族や周りの人が個性豊かで皆んな正直者なのに「ソーセージ作りの名人」と自称するスパウト爺さんだけ「裏表」がありそう。過去におじいちゃんにひどい目にあっていた人は警戒していたが、パブスはこのおじいちゃんが大好きになってしまって。
★吹き替え版で観たが声優さんは、ガールズバンド「SILENT SIREN」の すぅ(吉田菫)、ゆかるん(黒坂優香子)、ハブスの祖父スパウトに泉谷しげるさんで個性的だった。
🎬『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』古賀豪監督/104分
昭和31年。鬼太郎の父である目玉おやじは、行方不明になった妻を捜して、哭倉村へやって来た。その村は日本の政財界を牛耳る龍賀一族が支配していた。
血液銀行に勤める水木は、一族の当主の死のニュースきっかけにして、会社の命令で村を訪れ、鬼太郎の父と出会う。
当主の後継をめぐって争いが繰り広げられる中、村の神社で一族の者が次々と惨殺される事件が発生して……。
試写で2回もチャンスがあったが体の調子が悪くて行かれなかった。で、昨日109シネマズに行った。日曜の昼で4、50人入っていた。
一番驚いたのは「音」が澄んでいてきれいだったこと。覚えのある主題歌もうまく編曲されていて、懐かしさが込み上げて来た。
鬼太郎が生まれるまでの物語で、八つ墓村に似たようなストーリー。目玉の親父さんがハンサムだし、長身だし、奥様は美人で想像と違ったが、悪い気はしなかって。
声の出演の方々にも満足した。残念なのは昔の懐かしいキャラクターとちょっと違うこちら。
★編曲賞