🎬『Familia 我が家』ロドリゴ・ガルシア監督、脚本/メキシコ/104分
田園地帯が広がる片田舎。ここでオリーブ農園を自営する初老の主人はひと月半に一度集まる子どもと共に食卓を囲みながら、家族の思い出が詰まった農園の将来について重大な話をするが……。
農園主は経済的にやっていけないし、自分も年だから売りたいというが、たまにくる娘たち3人は急な提案にびっくりする。農園主は妻(子たちの親)を亡くしてから恋人もいる。子は娘3人とダウン症の長男がいて、農園主はまだ少年の長男と暮らしている。
一家族といえども連れ合い、子らも含めてけっこうたくさんいて、事情もいろいろで頭が混乱した。夫と反抗期の子ども2人と暮らす娘、同姓の恋人を持つ娘(妊娠中)、作家を目指しているシングルマザーの娘と、3人3様の生き様も描かれている。
けれどダウン症の長男が一番独立精神があって、「ぼくは、お姉さんたちをどうしても兄妹とは思えない、おばさんって感じしか持てない」と言い、「パパが農園を売っても売らなくても、僕はここを出て行きたい」とはっきりと父親に伝えていた。
3人はパパが亡くなった後、長男を誰が見るの?と相談していたが、とんだ「世話焼きおばさん」だ。長男が一番大人に感じた。