
🎬『心の涙をことばにして 〜今日を生きる子どもたち〜』Hélène Magny監督、脚本/カナダ/75分/日本初上映
カナダは難民の受け入れが、毎年40万人以上で積極的に受け入れている。
心理学者のガリン・パパジアン・ゾラビアンは、自身が幼少期にレバノン内戦を経験し長年トラウマで苦しんだことから、戦争によるトラウマで苦しむ子どもたちを支援するために、難民が多いカナダのケベック州で活動している。
彼女は、難民の子どもたちに、それぞれのトラウマとどのように向き合っていけばよいのか、また現地の学校の教師たちに、どのように難民の子どもに接するべきかを指導していく。
あどけない子どもたちを見ていると「難民の子」とは思えないが、かわいい口元から出る言葉は、苦しんでいる家族のことや、汚い言葉で傷つけられたことなど、驚く事柄がどの子からも出てくる。
その中でイライラした目つきで時々自分の顔を自分の手で、パシツ、パシッと叩く男の子がいた。他の子たちはその子がいつも乱暴な振る舞いや汚い言葉で怒鳴り散らすので、身を固くして見つめるだけだ。
その場にいた先生は、男の子に何に怒っているのか、何がしたいのか根気よく話し相手になっていた。
このドキュメンタリーは「難民」のその後の生活や教育を中心に作られていて、辛い経験がトラウマになって、親から子へ、そして未来に続く子孫にも影響を及ぼさないように、指導者たちが試行錯誤しながら活動している姿が描かれていた。
★難民映画を6作品観たが、この作品を最後に見て心が少し安らいだ。