
山形ドキュメンタリー映画祭のミッキーあ至福の6日間が終わった。今朝イチの新幹線の中。山形を出る時に2年後にまたこの地に来られるよう祈った。22本の作品をみた。
予定では25本だったが疲れて、宿に寝に帰ったり、気に入った全国にある「松屋」で、気に入ったほぼ芋煮の「豚汁」をすすったりして体調を整えていたからだ。他の料理は普通?だが、豚汁だけは名古屋でも飲んでみたい。
🎬『東部戦線』ビタリー・マンスキー、イェウヘン・ティタレンコ監督/ラトビア、ウクライナ、チェコ、アメリカ/98分
ロシアの軍事侵攻が続くウクライナの作品「東部戦線」はイェウヘン・ティタレンコ監督が来日。監督自身が救護隊として赴いた戦場や人々の日常を映し出している。救護員は各々のカメラを身につけていて(それをみて新人教育や救護の向上に役立てる)そのフィルムに映った凄まじい状況と私生活で製作されている。
ティタレンコ監督が救護隊に参加したのは、2014年のロシアによるクリミア半島の強制併合の時。歴史的な事件を自分の目でドキュメンタリー作家として紛争の現場に出向いた。そこで救護隊の活動を見て自分も加わるようになった。
2022年2月。ロシアの侵攻が始まったウクライナ。家族を避難させて、救護隊として激しい攻撃を受けたウクライナ東部戦地に向かった。
今も、ウクライナで一般市民の救護隊が命をかけ最前線で活動していると思うといたたまれない。救護隊にはあらゆる職業の方が必死に負傷者の手当てする様子や、休息の時に友人と冗談を言い合ったり、家族らと過ごす日常も映されていたのが救いだった。
🎬『不安定な対象2』ダニエル・アイゼンバーグ監督/アメリカ/204分
舞台は3ヶ所。ドイツ・ドゥーダシュタットにあるオットーボック社の義肢製造工場。南フランス・ミヨーにあるメゾン・ファーブルの高級革手袋縫製所。トルコ、イスタンブールとデュズジェにあるレアルコム社のジーンズ工場。その三つの工場での製造工程を「観察」するように映されている。
工程の半分以上は人の手で行われているが、近い将来はその手仕事もロボットに置き換わると職業となる「不安定」さを示している。
ナレーションも音楽も字幕もなし。監督さんは途中でここを出て休憩しても一向にかまいませんとおっしゃった。だが途中で仕方なく3分ぐらいトイレにいくのももったいない気分だった。
手仕事の細かさ、工夫のしどころなどロボットには置き換われないと、人の手仕事に希望すら感じた。
最後の3番目はトルコにGパン工場だが、こき使われているという雰囲気でじゃなく、一生懸命工夫して手順良く裁縫されていた。