
第45回ぎふアジア映画祭は既に始まっていている。見る機会の少ないアジア映画をお楽しみいただきたい。お知らせが遅くなって申し訳ないが、是非ご来場いただきたい。
9月23日(土・祝) 〜 10月14日(土)。合計8ヶ国・9作品の映画上映。 詳しくは https://gifu-civic.info/subsites/index/6
ミッキー推し作品
🎬『三姉妹』イ・スンウォン監督/韓国/115分
細々と生花店を営む長女ヒスク(キム・ソニョン)は別れた夫の借金を払いながら、いつも「ごめんなさい」「すみません」が口癖の気弱な性格で、癌を患っているが黙っている。キリスト教の信仰に全て捧げている次女ミジョン(ムン・ソリ)は、教会系の学校で音楽指導者で教授の夫共々トップの地位にいて信頼と尊敬を集めている。脚本家の三女ミオク(チャン・ユンジュ)は酒浸りで暴言が元で仲間内の厄介者。そんな三姉妹が父親の誕生日に集うが……。
三姉妹の生い立ち、性格、生活がヒリヒリとした痛みと共に伝わってきた。
三姉妹のそれぞれの家庭も苦あり難ありで、不幸せそうに見えても「理解者」が一人でもいると「幸せ」に転じ、反対にうらやましい生活の中で「裏切り」があると「鬼の心」と変化する。
お次も三姉妹の映画。
🎬『花椒の味』ヘイワード・マック監督、脚本/中国、香港/118分
旅行会社で働くユーシュー(サミー・チェン)は、香港・大抗で火鍋店を経営する父の急死で、自分には異母姉妹が2人いることをはじめて知る。彼女自身は病身の母親と自分を見捨てて家を出た父とは距離をおいていて、母親が死んでからは香港の街で1人暮らししていた。
異母姉妹の2人とは父の葬式で初めて会うが、1人は台北に暮らすビリヤードの人気選手ユージー(メーガン・ライ)、もう1人は重慶に住むユーグォ(リー・シャオフェン)だった。
姉妹とはすぐ打ち解けたが、葬式後、それぞれの家に帰って行った。ユーシューは火鍋店の契約があと一年残っていて、契約を破棄すると莫大な違約金を払わないといけないので、婚約者(なんとこの役はアンディ・ラウ!)に承諾を得て、一年だけ火鍋店を続けることにしたが……。
亡くなったお父さんは女房運には恵まれなかったが、美しい娘が3人もいて子ども運には恵まれていた。その3人もその周りにいる人間模様も多種多様で見飽きることはなかった。
関係が近ければ近いほど「伝えたい」ことが難しい時がある。そんな悔いが父親の死で浮き彫りにされていた。
★「火」を扱う葬式の場面が見事だった。
★アンディ・ラウさんが出て嬉しかったが、話しながらのよそ見運転にはハラハラした。