2013年のイタリア・ランペドゥーサ島から2022年のマルタ共和国まで、37回の旅で53カ国を訪れたローマ教皇に密着。難民問題と紛争に苦しむ中東やアフリカ、そしてアメリカでは平和について語り、イスラム教を国教とするアラブ首長国連邦や、被爆国である日本訪問、さらにカトリック教会で起きた性的虐待について謝罪する姿も記録したドキュメンタリー。

『ローマ環状線、めぐりゆく人生たち』『海は燃えている イタリア最南端の小さな島』の監督さん。期待して試写で見たが、ちょっと物足りないドキュメンタリーだった。
フランシスコ教皇といえば2017年に公開されたダニエレ・ルケッティ監督の『ローマ法王になる日まで』があって、第266代ローマ法王に就任したフランシスコの半生を実話をもとに描かれていた。
その中で子たちとサッカーしたり、洗濯や料理もしていた。それに赴任地に日本を希望していたこともあって忘れられない映画だった。
今作のドキュメンタリーで教皇の旅の中での「普段着姿」も見たかった。白い法衣、風に飛ばされ、お付きの人が拾った白い帽子?人にいっぱい触られる法衣は何着持って行ったとか、いく先々でお忍びで(お付きは遠巻きにいて)外に出ても普段着の教皇に誰も気付かなかったとか、旅に同行する人の裏仕事など……無理かな。
あ、そういえばそんな映画もあった。新ローマ法王に選ばれてしまった男の逃亡劇を描くコメディ『ローマ法王の休日』だ。これも私服の教皇を街行く人はボケたご老人ぐらいに思っていた。
あの白い法衣がどんだけ「教皇」の本質を表しているかと思った。
★日本のことも20秒ほど映った。これが一番、気に入らなかった。