2023年10月22日

「ブライバンティ事件」をもとに描かれた真実 11月10日公開『蟻の王』

🎬『蟻の王』ジャンニ・アメリオ監督、脚本/イタリア/140分/11月10日よりヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMA、伏見ミリオン座他にて全国順次ロードショー公開。

1960年代、イタリア・ポー川南部の街ピアチェンツァに住む詩人、劇作家、蟻の生態研究者でもある中年男性アルド(ルイジ・ロ・カーショ)は、教え子の青年エットレ(レオナルド・マルテーゼ)と惹かれ合い、ローマで一緒に暮らし始める。

しかしエットレの両親は二人を引き離し、アルドは逮捕され、エットレは矯正施設で治療のために電気ショックを受けさせられる。世間の好奇の目の中で裁判が始まった。

新聞記者エンニオ(エリオ・ジェルマーノ)は取材を重ね、不寛容な社会に声を上げるが……。

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今から80年前の話。当時としては愛し合う2人を異端視されるのは当然の時代。アルドはエットレと出会う前から公然と噂になっていて、エレットの兄もアルドに興味を示している。

それまでは見逃されていたのは、強く訴える人がいなかったからだろう。それは以前ムッソリーニがイタリアには同性愛者はいないとして「法で罰する」自体なかったからだろうか。

ルイジ・ロ・カーロは名優中の名優。一方、新人でエットレを演じたレオナルド・マルテーゼ、純真な眼差しは良いが、半開きの口元が「いかにも」でちょっと興ざめした。



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2023年10月21日

話はうまくいき過ぎだが……11月3日公開『私がやりました』

🎬『私がやりました』フランソワ・オゾン監督、脚本/フランス/103分/11月3日よりTOHOシネマズシャンテ、伏見ミリオン座他にて全国ロードショー公開



パリの大豪邸で有名映画プロデューサーが射殺されて、新人女優マドレーヌ(ナディア・テレスキウィッツ)が容疑者として連行された。マドレーヌはプロデューサーに襲われて自分の身を守るために撃ったと供述し、同居している親友の弁護士ポーリーヌ(レベッカ・マルデール)とともに法廷に立つ。

正当防衛を訴えるポーリーヌの弁論と切々と訴えるマドレーヌの感動的なスピーチは裁判官や大衆の心をつかんで、マドレーヌは無罪。悲劇のヒロインとしてスターの座を手に入れる。

そんな彼女たちの前にかつての大女優オデット(イザベル・ユペール❗️)が現れ、プロデューサー殺しの真犯人は自分だと主張する……。

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転んでもタダでは起きない女たち3人。簡単に先は読めてしまうが、古風な色合いのスクリーンと3人の衣装などが時代を的確に表していて楽しませてくれた。

出番は後半からだが、イザベル・ユペールさんがお声の迫力、お目々の動きなどさすが大女優❗️だ。

posted by ミッキー at 06:05| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年10月20日

10月20日公開映画『極限境界線 救出までの18日間』

🎬『極限境界線 救出までの18日間』イム・スルレ監督/韓国/109分

2007年。アフガニスタンの砂漠で韓国人23名がタリバンに拉致される事件が起きた。タリバンは24時間以内に韓国軍の撤退と収監中の仲間23名の釈放を要求した。

韓国政府は交渉役としてエリート外交官チョン・ジェホ(ファン・ジョンミン)を派遣した。アフガニスタン外務省に釈放を要請するが断られてしまう。一方、情報通の現地工作員パク・デシク(ヒョンビン)がアフガニスタンのフィクサーと交渉するが決裂。

チョンとパクは人質を救うため、不本意ながら手を組むことになって……。

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外交官チョンをファン・ジョンミン、工作員パクをヒョンビンの初共演。実在の事件をもとに描いたサスペンスドラマで監督は韓国の代表する女性監督。ミッキー地元の「あいち国際女性映画祭」でも『私たちの生涯最高の瞬間』『飛べ、ペンギン』などお馴染みの方。

エリート外交官と自由に韓国語、英語、アラビア語をたくみに使う工作員パクとは最初こそ反目しあっていたが、それでは問題解決の糸口が見つからないことに気付き、次第に協力するようになる。

現地と本国との状況判断の温度差、どう説明してもわかってもらえないイライラがこちらにも伝わってくる展開で、息つく暇もなかった。

★ファン・ジョンミンがだんだん日焼けしていくのが事件の特異さを物語っていた。
posted by ミッキー at 12:09| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする