2023年09月27日

『セインツ 約束の果て』大須シネマにて

北野武監督の『首』を観た。信長の本能寺の変を中心に新しい切り口で描かれている。11月後半の公開。今年の正月に公開された『レジェンド&バタフライ』も信長だ。これは信長と濃姫のラブが要で描かれていた。2023年は信長で始まって信長で終わることになりそうだ。

🎬『セインツ 約束の果て』デビッド・ロウリー監督、脚本/アメリカ/98分/2013年

1970年代のテキサス。窃盗や強盗を繰り返してきたボブとルース(ケイシー・アフレックとルーニー・マーラー)のカップルは、ルースが妊娠したことで、悪業をやめると決意する。しかし、最後の銀行強盗に失敗。ルースが警官のパトリックを撃ってしまったが、彼女の身代わりとなり刑務所に行ったボブは、やがて娘が生まれたことを知り脱獄。

追われる身となったボブはルースと娘に会うため逃避行を続ける。ルースはボブの帰りを待ちながら娘を育てていた。そんなルースを陰から見守る地元保安官のパトリック(ベン・フォスター)は、ひそかに彼女に恋心を抱いていた……。

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大須シネマではデビッド・ロウリー監督の『さらば愛しきアウトロー』も上映していたが、若い時の俳優さんが観たくてこれにした。

2人は同じ家に貰われてきた養子同士で幼いときからの固いつながりがあった。ルースは何年でもじっと待っているような女だと感じた。ボブは4年の間に5回も脱走を企てているから、妻子に会いたい一心だったのだろう。いつもルースが赤子に乳をのませている写真をながめていた。

パトリックはうすうす自分を撃ったのはルースではないのかと思っていたが、真面目に生活をして、
幼い娘を大切に育てている姿を見るにつけ、だんだんと離れがたい気持ちになっていく。愛を告白するシーンがあるが、深い愛がこもっている言葉だった。

ボブもルースもパトリックもどうしょうもない愛で繋がっている。最後は切なくて悲しい幕切れだけど、とっても幸せな気持ちがした。

★ベン・フォスターは『アウシュヴィッツの生還者』で主演している。
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2023年09月26日

ガンバレ!キジトラ・ルー 9月29日公開『ルー、パリで生まれた猫』

🎬『ルー、パリで生まれた猫』ギョーム・メダチェフスキ 監督、脚本/フランス、スイス/83分/9月29日よりミッドランドスクエアシネマ他にて全国ロードショー公開

パリに住む10歳の少女クレム(キャプシーヌ・サンソン=ファブレス)は、屋根裏で生まれたばかりのキジトラの子猫を見つけ、両親に頼み込み、ルーと名付けて一緒に暮らしはじめる。

両親(父ニコラ・ウンブデンシュトックと母リュシー・ローラン)の不仲にいつも心を痛めていたクレムは、自由で好奇心旺盛なルーとの生活に心の安らぎを感じていた。

そんなある日、母親と森の別荘へやって来たクレム。もちろんルーも一緒。その地の隣人マドレーヌおばさん(コリンヌ・マシエロ)と付き合うことでいろんなことを体験していくが……。

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犬猫ものには警戒心を抱くミッキー。気乗りしないままオンラインで見せてもらったが、可愛い〜〜と身悶え寸前……。女の子も可愛い、夫婦関係の危うさ、別荘隣人一人暮らしの初老のおばさんの生き方も適度に描かれていた。

でも身悶え寸前になったのは、ルーとミミズク、ルーとオオワシ、ルーとイノシシ、子してルーと恋人(白い猫)のシーンが良かった!

ルーの幸せを心から祈った「犬猫もの」だった。




posted by ミッキー at 19:32| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年09月25日

Netflix『普通の人びと 彼らを駆り立てる狂気』

🎬『普通の人びと 彼らを駆り立てる狂気』マンフレッド・オルデンブルク監督、脚本/ドイツ/58分

一般市民を中心に編成された第101警察予備大隊。職業は多岐にわたっているが狂信的な反ユダヤ主義者というわけでもなかった。ドイツが占領した地域を規則に従って守る準警官という仕事内容で集められた人たち。

彼らはポーランドに連れて行かれた。ある朝、皆が揃ったところで、温厚なタラップ少佐が涙ながらに話したことは「ポーランドにおいてユダヤ人を殺す役目で集められたが、ここで拒否することもできる」と呼びかけてくれた。少佐も直前まで知らされてなかったのだ。

しばらく沈黙が続いたが一人、二人と拒否する人が出て来たが……。

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きっと今年のNetflix No.1❗️

ドイツ・ナチス関連の映画やドキュメンタリーはほとんど見ているが、これは普通のドイツ市民がユダヤ人殺害に関わっていく姿が克明に描かれていた。見た後もなかなか現実には戻れなかった。人間が狂気に陥ることは現在に於いても無縁ではないと改めて感じた作品だった。

★ちくま学芸文庫『増補 普通の人びと:ホロコーストと第101警察予備大隊』クリストファー・R・ブラウニング著、訳谷喬夫で再販が決定したらしい。 
posted by ミッキー at 17:25| Comment(0) | DVD Netflix | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする