今日も暑い名古屋。岐阜もきっと同じような暑さかなと思いながら、岐阜ロイヤル劇場に。どこの中都市も同様だが閉めたりたたんでしまったりした店舗が多いこと。そんな中で古い劇場のロイヤルは頑張っている。観たのは『流れの譜 第一部動乱 第二部夜明け』観客は男のお一人様が20人ほど。
🎬『流れの譜 第一部動乱 第二部夜明け』貞永方久監督、脚本/170分
第一部・動乱では、北海道旭川・歩兵第27連隊に赴任した陸軍中佐・菅原忠一郎(田村高廣)は、屯田兵だった父・弥七郎、妻・丸枝(司葉子)と、忠節、忠礼、忠勇、忠信、忠淳、赤ん坊の忠質の6人の男の子がいた。どの子どもたちそれぞれの若い時代を描いていた。その時代はなんと言っても父の権力が重く妻は子たちが次々と戦禍に死んでいくのを涙ながらに呆然と見守るしかなかった。
第二部・夜明けでは、負け戦の虚脱した男たち。生き残ったのは2人の子だけ。昭和23年、忠一郎は自ら軍人勅論を唱えながら生涯を終えた。
戦前、戦中、戦後に生きた軍人一家の激動の昭和史を、北海道の雄大な自然を背景に描いた長編ドラマ。170分、見応えは十分にあって、あっという間に終わってしまった。
父が息子を自分の思い通りに育てようとするが、言うことを聞いて立派な軍人になるが戦死。反対に戦争反対で刑務所に入れられた子は戦後息を吹き返したように活躍……。二部では3代目になると、子が親になって、次の世代(忠一郎の孫)は親と対等な物言いをしたり、父親を軽んじたりとする。その時になって初めて父親(忠一郎)の不動の精神に、改めて偉大さを感じている息子たちだった。
★一家を支える司葉子、一家に出入りする万屋の犬塚弘が好演していた。