🎬『星くずの片隅で』ラム・サム監督/香港/115分/センチュリーシネマにて
停滞する経済や人口流出で厳しい状況にある香港にコロナの流行が追い討ちをかけた。清掃会社「ピーターパンクリーニング」の経営するチャク(ルイス・チョン)は、消毒液が不足して会社の危機が迫っている。
そんな時、シングルマザーのキャンディ(アンジェラ・ユン)は、幼い娘のためにまともな職に就こうとチャクの店で仕事をするようになる。雇う余裕はなかったが必死な様子にテスト期間をしてから決めると言う。
生真面目なチャクと違って少しいい加減な性質のキャンディだが、幼い娘のために一生懸命に働く姿に雇い主と従業員の信頼感は深まって行くが……。
観てから気付いたが、これは大阪アジアン映画祭で日本初上映された作品で『窄路微塵(きょうろみじん)』という題だった。2度観ても損んした気にはならなかった。
スクリーンからはいつもと違う香港の裏寂しい町、耳からは郷愁を誘う古典的な楽器と新しい電子音がミックスされていた。音を入れるタイミングも良かった。
世界中で流行ったコロナ。いろんな国々の町の片隅で、こんなお話がいっぱいあると思うと、コロナ後は共通の話題で一つになれたらと思うと、悪いことばかりではないと思った。