ゲイであることで母に嫌悪され家を追い出され、16歳から10年間ホームレス生活を送っていた青年フレンチ（ジェレミー・ポープ）。どこにも居場所を見つけられず、自らの存在を追い求める彼は、生きるための選択肢として海兵隊に入隊を志願する。
だが、訓練初日から教官の過酷なしごきと、さらにゲイであることが周囲に知れて、激しい差別にさらされてしまう。
苦しい訓練と嫌がらせの日々に何度も挫けそうになるが、毅然とした態度で暴力と憎悪に立ち向かうフレンチ。
自分を曲げない態度や「他者を見限らない」彼の優しい配慮で、徐々に周囲の気持ちを意識を変えていくが……。
これは監督さん自身の体験がベースになっている。フレンチを演じるジェレミー・ポープさんの思慮深い表情がとても良かった。
軍隊に入ってからすぐシャワー室で素敵な男性を見て「反応」してしまったのでゲイとわかってしまったのだ。
でもその中に「ゲイを追い出していたら、軍隊は成り立たなくなる」と言ってくれたり、誰もいないところで慰めて？くれる人がいたり……、最後はほぼ理解し合う間柄になって一人前の兵士になっていく。
母親は最後まで「受け入れない」が、受け入れられないということを息子にはっきり言っている。それも「ゲイを認める」と同様に認めてあげてほしいと思った。
