2023年06月15日

イタリア映画祭2023 オンライン上映『デルタ』『スイングライド』

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🎬『デルタ』ミケーレ・ヴァンヌッチ監督/105分

イタリア 北部を横断する、国内で最も長いポー川のデルタ地帯。そこで、ポー川の水質汚染調査や川べりの遺棄物を処理する環境保護団体で活動するオッソ(ルイージ・ロ・カーショ)と妹ナニ(グレタ・エスポジト)の2人は、今日も巡回中に廃棄された冷蔵庫や密漁で取り残された魚をみつけて、本部に連絡した。また流域の工場から、交渉して止めたはずの発がん性のある危険な排水も見つけた。

漁師の集まる本部に行って、今日の説明するが皆真面目に取り合ってくれない。死んでいた魚を見て「感電死して死んだ」と食い気満々だ。

一方、ルーマニアから一家を引き連れてポー川に来たエリア(アレッサンドロ・ボルギ)は、小屋に住んで違法漁(感電死させてたくさんの魚をとる)で生計を立てていた。だがトラックを警備隊に取られ危機を感じたエリアは故郷に帰ろうと、元締めからいままでの代金をもらおうと要求するが……。

オッソを演じるルイージ・ロ・カーショさんは55歳。今年の映画祭には『デルタ』『キアラ』『蟻の王』の三作品に登場。

キリッとしたお顔立ちで今でも難なく青年役ができる稀な俳優さんだ。

さて、映画は思いがけない泥沼に入り込んでしまう。ポー川漁業関係者、ルーマニアから来た密漁者、ポー川環境調査員の三つ巴で……72時間で1500円。ミッキーは繰り返して2回半見続けている。 

🎬『スイングライド』キアラ・ベッロージ監督/96分

両親と二人の妹と郊外に住む15歳のベネデッタ(カイヤ・ディ・ピエトロ)は、太っているために、ほぼ家と学校を往復するだけ。母親から厳しく制限されている食生活だ。我慢できないで夜中に冷蔵庫をあさる時もあった。

そんなある日、移動遊園地でダンサーを夢見て働いているトランスジェンダーのアマンダ(アンドレア・カルペンツァーノ)と出会う。


必見作品。映画祭の作品を全部見たわけではないが、15歳の少女ベネデッタの美しさはピカイチだった。誰が見ても太った体型だが長い黒髪、ふくよかな唇、肌の美しさが際立っていた。

彼女はアマンダに自分の持っていない「細身の体」「人を恐れず前進する」「中性的な魅力」に陥ってしまい、ただそばにいたい気持ちが大きくなって一緒に旅について行ってしまう。そんな束の間の逃避行は、寡黙なベネデッタの青春を彩っていた。

★スイングライドとは円形にブランコがたくさんついていてぐるぐる高いところで回る遊具のこと。ほとんどの遊園地にある。

詳しくは https://www.asahi.com/italia/2023/online.html
posted by ミッキー at 17:05| Comment(0) | 映画祭・映画関連催し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年06月14日

現代風・絶品時代劇❗️6月23日公開『大名倒産』

🎬『大名倒産』前田哲監督/120分/6月23日よりTOHOシネマズ日本橋、ミッドランドスクエアシネマ他にて全国ロードショー公開



江戸時代。越後・丹生山藩の役人の息子として平穏に暮らしていた間垣小四郎(神木隆之介)は、ある日突然、自分が徳川家康の血を引く丹生山藩主の跡継ぎだと知らされる。しかも実父である一狐斎(佐藤浩市)は、小四郎に難題山積みの藩を任せて隠居してしまう。

藩の貧しい役人の息子から、藩主と大出世したのもつかの間、丹生山藩が25万両(今の価値で約100億円)もの借金を抱えていることが判明。頭を抱える小四郎に、一狐斎は「大名倒産」を命じた。それは借金の返済日に藩の倒産を宣言して踏み倒すという案だったが、一狐斎は小四郎に全ての責任を押しつけて切腹させようとしていた。

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台詞はほぼ現代風。いつもなら文句たらたらだが今作は不思議と腹が立たない。初のちょんまげスタイルの神木くんを応援しながら楽しんだ。

生活や会社やお店の立て直しにも通じる創意工夫が盛りだくさんで必見内容だ。毎朝行く喫茶店も4月から値上げしたが7月からは「おしぼり」を無しにするそうだ。一つひとつ見直していかないと後が続かないとため息混じりで言っていた。

作品は暗くならず、笑いを含めて「悪巧み連中」を諌めていく。松山ケンイチ、桜田通が個性的な兄弟を演じていた。



posted by ミッキー at 21:50| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年06月13日

『大阪古着日和』センチュリーシネマにて

🎬『大阪古着日和』谷山武士監督、脚本、編集/98分/センチュリーシネマにて


お笑い芸人の哲矢(森田哲矢)はライブのために訪れた大阪で、ふらっと古着店に立ち寄った。そこは古着好きにとっては夢のような場所で、欲しい服が多すぎて頭を抱える哲矢。

レアなスウェットの話がきっかけになって、アルバイト店員ナナ(花梨)と意気投合しておしゃべりする哲矢だった。そこへ、ビンテージ物の古着愛好家であるナナの叔父・六(光石研)が来店。2人はナナをはさんで奇妙に張り合ってしまい……。

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YouTubeの人気ドラマ「東京古着日和」シリーズを、大阪を舞台にして映画化。古着を愛するお笑い芸人が「古着と恋と仕事」の間で揺れ動く姿を描いたコメディ映画。

映画は是非観て、とは言えないが映画中に何回も「へぇー」と驚いた。ミッキーもよく東京に行ってた時、東中野の古着屋さんに必ず行った。500円でも着やすくてしっかり縫製された上着や寝巻きにもなりそうな長めのシャツなどがあって時間の経つのを忘れるほどだ。店の奥にはきっと高いのがあると思うが奥まで行ったことがない。

これを観て、すっごく高かったり、珍品物があったりして深い「古着」業界を知った。

この作品でも光石は良くない。「自然体を演じすぎ」とど素人のミッキーが言うのも申し訳ないが、古着屋店主をやった方の本物?の店主さんがよかった。

最後は平凡な終わり方で残念。ビンテージ物は男女兼用らしいので 一捻り欲しかった。
posted by ミッキー at 20:35| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする